『忍者に結婚は難しい』は甲賀忍者と伊賀忍者がお互いの素性を隠して結婚する……という『Mr.&Mrs.スミス』的な設定を『ルパンの娘』方向にトンデモ的に味付けしたような作品だけに、放送前の期待度も割れていたが、木曜劇場らしい気楽に見られるコメディでありつつ、“子どものように自分中心の夫と、それに振り回されてイライラする妻”という結婚生活あるあるをうまく混ぜたような日常ドラマになっており、好評だ。今のところ「忍者に結婚は難しい」というより、「悟郎(鈴木伸之)との結婚は誰でも難しい」という感じが強いが、第2話では忍者要素もやや強まってきたので、今後に期待か。脚本が『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』の松田裕子という点も期待を高める。

 『忍者に結婚は難しい』の好評は、もともとのハードルの低さ(あるいは見る人を最初からかなり選ぶ設定)も影響したと思われるが、逆に西島秀俊×濱田岳の刑事モノということでハードルが高まってしまったのが悪い方向に働いたと見られるのが、警察内の“アウトサイダー”3人が奇妙な絆を築く『警視庁アウトサイダー』。予告映像などはクールに仕上がっていたが、実際には『99.9-刑事専門弁護士-』などの木村ひさし演出による小ボケの多いコメディ寄りの作風で、ハードボイルドを想定していた層からの「思ってたのと違った」という声も少なくなかった。そのためか、TVer総合ランキングでは1週間のほとんど『忍者に結婚は難しい』の後塵を拝す結果となっている。第2話で上白石萌歌が本格的に西島×濱田と絡むようになり、コメディとしての型が見えてきたため、ここから評価を上げていくか。奇しくも一風変わった設定のコメディ対決となった木曜、今後の動向に注目だ。