2.愛猫が主役のハッピーライフご紹介
そらくんとMさんのハッピーライフ~
「扁平上皮癌とともに笑顔で生きた猫生」
チンシラシルバーの男の子、そらくん。
Mさんは昨年3月、そらくんの逆くしゃみやえづきが気になり動物病院へ。胃腸炎と診断され治療開始するも良くならず不安が大きくなります。
そらくんの様子を見ながら口の中が気になったMさんは再び、診察を受けますがはっきりした原因がわからず食道炎の治療になりました。それでもえずきは変わらないためスケーリングで確認するも異常は見当たらず。なんとなくもやもやしていたある日、たまたまあくびをしたそらくんの口の中に大きな膨らみを見つけたのです。
病理検査で扁平上皮癌と診断され、大きなショックに襲われたMさん。
怖がりで神経質なそらくんです。外科手術を迷いましたが、「そらの苦痛を少しでも取ってあげたい」という思いで決意。術後、そらくんもMさんも「扁平上皮癌」がどうしても話題の中心になってしまう生活の中、いろいろなグリーフで溢れていました。
グリーフカウンセリングを行いながら、私はどんなときも「そら」という怖がりで甘えん坊な男の子の目から景色を見ながらそらくんの日常を取り戻せるようアドバイスを続けていきました。
手術で下顎を切除したそらくんでしたが扁平上皮癌が再発。腫瘍はお口の中に広がっていきます。そらくんには少量で効果のある粘膜吸収タイプの鎮痛剤を使用し、痛みのコントロール。
Mさんのグリーフケアをしながら「そら」としていつものように自由に過ごすことができるようになったのです。窓から外の鳥や虫を目で追いかけたり、テレビで大好きなお子様番組を見たり、娘さんとねこじゃらしで遊んだり、好きな食べ物をもらい、自分が落ち着く場所で寝るそらくん。
腫瘍が大きくなり自分では食べられなくなっても、Mさんが飲み込める食べ物を楽しく声をかけながらあげる毎日。口が閉じなくなりお顔つきが変わっても、そらくんにはわかりません。そらくんがその変化に順応していく姿に私自身、「猫」のまっすぐに生きる才能を感じました。
11歳の誕生日には自力で食べることが難しかったそらくんがパパが買ってきたバースデーケーキの生クリームを舐めたのです。そのすがたに家族も思わず「そら、すごい!」と歓喜。病気が進行して医療では手立てがなくなっても家族ができることがある。そらくんは家族の笑顔に囲まれながら、大好きなホームでそらくんのハッピーライフを堂々と生き抜きました。
次回は、エンディングを迎えたときのお話しをしたいと思います。出会えた奇跡に感謝し、生きているときも亡くなってからも永遠に愛猫とのハッピーライフを続けていくために必要となるのが、動物医療グリーフケアです。
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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