人生100年時代、老後破産は他人事ではありません。
今回は老後破産のエピソードについてfuelle編集部が取材しました。

商店街で飲食店を営んでいた父

父は地方の商店街で飲食店を切り盛りする調理師でした。
私が高校生の頃がピークだったと思いますが、それなりに繁盛していました。
多い時には3人の従業員を雇っており、母も父を助けながら商売をしていました。
しかし、良い時は長く続きません。
時代の流れに逆らえず商売街が寂れていき、近隣店舗の店のシャッターが開かなくなった頃、父の店も赤字続きで閉める事になりました。
従業員も去り、店舗を売りに出しましたが買い手も見つかりません。
借金返済のため、母は清掃のパートに出はじめました。
父は調理師の資格を生かして働きはじめましたが、人に使われることに慣れておらずどこも長続きしません。
その頃の私は結婚して子どもが産まれた時分で、実家に援助する余裕はありませんでした。
店が売れれば何とか生活を立て直せると高を括っていたようなのですが、一向に売れる気配もなく店を担保にお金を借り、そのお金を借金返済に充て…という自転車操業をし始めました。
しかしそれも長くは続かず、程なくして担保にしていた店を手放し、借金は一旦クリアに。
母も身体を壊し仕事をやめたため、年金だけの収入で暮らすことになりました。