「根建のシビック」「友保のどん兵衛」、この2つは、実際どれだけ売り上げに貢献したかは定かではないが、確実に話題にはなったし、みんなが商品に対してプラスの感情を抱いた。これは企業が商品をPRするときに非常に参考になるやり方だったと思うし、今後何かムーブメントを起こしたいときにマネすべき事例なのかもしれない。ただもちろん2つとも「偶然発生したムーブメント」であったことを忘れてはならない。「狙ってる」と思われたら途端に興醒めしてしまうので、真似することは容易ではないと思う。まして根建さんも友保さんもそんなムーブメントなんか「知らんがな」と思っているだろう。そのスタンスこそが「ガチ感」につながっていて、人々の心を動かすのだから。

 2023年はどんなテレビバラエティが放送されるのか。「テレビ離れ」がしきりに叫ばれる今、「根建のシビック」「友保のどん兵衛」のように、テレビのオンエアにとどまらない「放送をきっかけに二転三転していく愛のある企画」こそ、視聴者が求めているものなのではないだろうか。