城下 NHKとしては幅広い世代の人に見てもらいたいという狙いがあるんです。ジャニーズやK-POPが好きな若い世代も確実に捕まえたいですし、石川さゆりさんなど演歌歌手を出場させることで年配の視聴者も捕まえたい。その間のぽっかり空いている中間層を、今年動きがあった工藤さん、篠原さんが埋めたような形になりました。言い方を変えれば、工藤さん、篠原さんも懐メロの枠に入ってきたということになりますね。各世代が「見てみよう」ということになれば、まんべんなく視聴率をアップさせることができるのではないかと考えたのだと思います。

――視聴率においては、紅白は崖っぷちですもんね。

城下 そうなんです。2021年の「第72回NHK紅白歌合戦」は過去最低視聴率となってしまいました。これ以上、視聴率を下げるわけにはいかない。どうにかしたいという焦りがあるのだと思います。

――話題性でいえば、加山雄三も出場するようですね。城下さんはずいぶん前から加山の出場を予想していました。

城下 特別企画での出場ですね。加山さんは年内でコンサート活動の終了を発表しています。8月に放送された『24時間テレビ』(日本テレビ系)がテレビでのラストパフォーマンスとなるかと思われていましたが、紅白が最後となり、NHKもホッと一安心したことでしょう。

――いろいろと工夫を凝らした紅白、視聴率がどうなるか楽しみですね!