続いては、4月に発売された「ペヤング 超超超大盛やきそば GIGAMAX GREATBOSS さばの水煮入り」500円(税別)。通常ペヤングの3.6倍の麺量を誇る「GIGAMAX」シリーズの商品ですが、それ以上に意味不明なのが「GREATBOSS」というネーミングとコーヒーのBOSS缶を思わせるハードボイルドな御人が描かれたパッケージ、そしてカップ焼そばに「レトルトさばの水煮入り」という奇抜なマッチング。
この商品の発売当時、世の中はプロ野球日本ハムファイターズの新庄剛“BIGBOSS”の話題で持ち切りでした。BIGBOSSのブームに乗って「GREATBOSS」にしたのではないかと推測します。ボスつながりでBOSS缶風味のハードボイルドな御人が描かれていると思われますが、このキャラが濃すぎてBIGBOSS風味が消えてしまっています。
カップ焼そばにさばの水煮はこれまでに考えたことのないような奇抜な組み合わせですが、さばの水煮は「宝幸」製のレトルトパウチの既製品が入っていました。カップ麺ではこれまでに「キユーピーマヨネーズ」など既製品が使われていたことはありますが、こんなあからさまな既製品はとてもめずらしいように思います。
さばの水煮の製造元である「宝幸」は水産加工の企業ですが、この会社は日本ハムの完全子会社なんですよね。新庄BIGBOSSと、ここでつながりました。
いつもの味のソースにいつもの麺が通常の3.6倍量、そして麺に比して少なめですがいつもの具であるキャベツと挽肉が入っています。さばの水煮さえなければ普通の「ペヤングGIGAMAX」です。
ソースの量が少ないのか、いつもより味がちょっと味は薄めに感じたものの、基本的にはいつもどおりのペヤングの味。量が多いので後半は飽きるかもしれませんが、さばの水煮抜きでも十分に成立する味となっています。
さばの水煮が焼そばにのっている姿はどう見ても異様ではあるものの、味はミスマッチということはなく普通においしかったです。最近は高級なさば缶が流行りですが、このさば水煮はそこまで高級ではないものの、生臭さが一切なく、鯖の旨みと油のこってり感が前面に出てくる素材の良さが感じられます。
いつものペヤングソースとさば水煮の組み合わせにこれほどまでの相乗効果があるとは思わなかったですが、ペヤングソースもさばの水煮もどちらもしっかりおいしかったので、これを機に他の意外な食べ物をペヤングと組み合わせて試してみたくなったり、ならなかったり。
そんな鮮烈デビューを飾った「GREATBOSS」でしたが、第2弾の「レトルトもつ煮入り」が出たのを最後に、すっかり鳴りを潜めてしまいました。「獄激辛」に代わってペヤングの主役を張っていくと思ったのですが。2023年には復活があるのでしょうか。
最後にレビューするのは、7月に発売された「ペヤング ソースやきそば迷油」214円(税別)。「油」が入っていることは間違いなさそうですが、商品名からはそれ以外の情報は得られないどころか、メーカーが「迷」っているならばこちらも買うのが不安になってしまいそうです。
「迷油」。つくづく意味が不明です。ただ、「ソースやきそばに特製調味油を入れた逸品」とも書かれており、そう聞くとあまり迷っているようには見えません。「迷」っているくせに「逸品」と言ってのけるあたり、ペヤングさんは若干錯乱状態に陥っているのかもしれないと心配にはなります。
いつものペヤングと大きく違うのは、「調味油」として透明な油脂がたっぷり入っていること。今回はあらかじめお皿に開けてみましたが、外気に触れると冷えて白くなりました。結構油が多いので、ダイエットとか健康に気をつけている人だと、食べるのはちょっと罪悪感を覚えるかもしれません。
見た目はいつものペヤングとほぼ同じ。量も含めていつものペヤングのソースに、いつもの麺、いつもの鶏挽肉とキャベツ。量含めてまったく同じだと思われます。いつもと違うのは、「スパイス」や「ふりかけ」が入っていないことで、大量の「調味油」に置き換わっていることです。
大量に油が入っている分、いつもより重量感があってお得な感じがします。ただ、栄養成分の脂質が通常のほぼ倍となっており、油の塊状態。
大量の「調味油」を加えることで、いつものソース味がテカテカこってりになっていきます。焼そばに油を加えて「油そば」状態ですが、食べた印象は「油そば」と言うより、油によって炒め感の強い焼そばでした。ふわっと香るニンニクが炒め感を高めています。
「迷油」なんて商品名ですが、実際のところ油で武装したペヤングは、通常よりかなりおいしくなっています。商品名がおかしいだけで、実は中身は真っ当。中国語では「迷」には「やみつきになる」という意味があるようで、おそらく今回の「迷油」はやみつきになる油ということかもしれませんね。