2022年も多くの商品が登場した「ペヤング」。2022年のペヤングは真面目な創作系商品がとても多かった反面、過去最凶の激辛から意味不明な商品まで、振れ幅がとても大きい1年でした。

 今回は、2022年に発売された「ペヤング」から、なかでもぶっ飛んだ3商品――「獄激辛Final」、「GREATBOSS」、「迷油」の3つをピックアップし、そのブッ飛びぶりを振り返ります。

変態激辛焼そばの最終形態は、あまりに無慈悲――「ペヤング 獄激辛やきそばFinal」

 まずは、2020年に初登場、世を震撼させた「獄激辛ペヤング」から、3月に発売された最終形態「ペヤング 獄激辛やきそばFinal」250円(税別)。「獄激辛ペヤング」といえば、常軌を逸したあまりの激辛ぶりから、YouTuberなどを中心に罰ゲームの定番としておなじみとなりました。

「獄激辛やきそばFinal」では、あの猛威を振るった「獄激辛」のパッケージに描かれているおなじみの閻魔大王風の御人が、なんと真っ青になって泣いているではありませんか。立ちはだかる敵だと思っていた存在が泣かされていると、敵の敵は味方の法則が発動して泣かした人は味方ということになってしまいかねませんが、実際のところ青くなった閻魔風の御人は、エヴァの暴走を制御できなくなったパイロットと同じなのかもしれません。

「獄激辛」の最終形態ということで、フリーザならあの戦慄の第4形態ですが、戦闘力ならぬ辛さが第1形態のなんと2倍になっているとのこと。猛威を振るったあの「獄激辛」の2倍ですよ!

 ただ、「獄激辛」の時点ですでに辛すぎて味覚が全停止していたので、それが2倍になったところで、感じることのできない辛さに大きな違いはないだろうと、食べる前は思ったものでした。

「獄激辛Final」を通常の「獄激辛」と比較すると、見た目に大きな違いはなし。多少赤味が強い気はするものの、極端な違いではありません。どちらもノーマルペヤングと同じく、いつもの麺に鶏挽肉やキャベツが合わせられています。

 食べる前からわかる大きな違いは、立ち上る湯気から放たれる匂い。どちらも妙な甘ったるさを含んだ唐辛子のヤバい匂いですが、「獄激辛Final」は一撃で卒倒するレベル。直に吸い込むのはキケンです。理科の実験のときに教えられた、手で仰ぐやり方でもキケンかもしれません。

 辛さ以外は通常の「獄激辛」と同じで、りんごピューレやトマトペーストなどで多少甘みを伴いながらも猛烈な辛さが押し寄せるソースです。

 でも筆者には、そんな細かい味はわかりませんでした。なんせ辛すぎてひと口でドロップアウトしてしまったので――。ひと口目を口に入れた瞬間に体を駆け巡るエマージェンシーコール。視界が赤と黒に点滅し過ぎて、ACミランの一員になった自分がイブラヒモビッチ選手にラストパスを送るところまで妄想できてしまうレベル。

 ひと口でドロップアウトした人がこんなこと言っても説得力ないのですが、筆者は辛いものに強いです。辛さに鈍感すぎて、お店の最高レベルの辛さのメニューとか、カレーの「LEE40倍」とかも、ほとんど平気で食べることができます。でも、それでも、「獄激辛Final」は無理! 口では耐えられたとしても、おそらく胃が持ち堪えられません。

 頑張って食べ切るために、やっておきたい対策は主に3つ。まずは冷ますこと。アツアツだと辛さが増幅されてしまうので、冷蔵庫で冷やしてもいいくらい。2つ目はマヨネーズ。マヨネーズのまろやか効果で辛さがだいぶ和らぎます。砂糖を入れても和らぎそうですが、多分おいしくなくなるのでやめたほうがいいと思います。

 そして3つめは自己武装。食べる前にヨーグルトや牛乳でお腹に防護膜を貼り、食べ終わったあとも牛乳を流し込む。

「獄激辛Final」を最後に、2022年3月以降は「獄激辛」の新商品は発売されていません。……本当にファイナルだったのでしょうか。個人的にはだいぶホッとしていますが、フリーザが「復活のF」で蘇ったように、獄激辛も来年以降に「復活のG」として再び襲来してくるかもしれないので、警戒は怠りたくないところです。