昔は、ドラマの現場なんて若手ADなど徹夜は当たり前で、何日も寝ない日が続きました。プロデューサーからのパワハラもあり、殺伐としていたものです。ただ、最近ではハラスメントがあれば問題視されて作品が放送できなくなるし、俳優陣からも厳しい目が向けられるようになった。そのため上層部もプロデューサーに、しっかりと休みの取れるクリーンな現場にするよう求めています。そういった変化で、女性が働きやすくなったこともあるでしょう。また、脚本家や監督など主軸になるスタッフが女性だと細やかな配慮をしてくれることも多いので好まれやすい側面もありますね。ドラマの現場は、すでに女性たちが中心になって回している状態になっています」(民放関係者)

 そんな女性脚本家の話題作が目白押しの、来年1月期のドラマ。なかでも注目を集めそうなのが、安達奈緒子氏脚本の『100万回 言えばよかった』(TBS系)だという。

「井上真央が主演を務め、共演には佐藤健、松山ケンイチという映画並の豪華なキャストの作品です。愛する人を突然失った女性と、現世に未練を残し魂だけになっても傍で見守る男の、切ないラブストーリー。正直、あらすじだけだとよくあるファンタジー作品にも思えますが、脚本家の安達奈緒子氏がかなり丁寧かつ繊細に物語を描くことが予想される。安達氏は『きのう何食べた?』(テレビ東京系)や、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』などで見られたように、人と人のつながりを描くことが非常に上手。同ドラマも、井上、佐藤、松山と演技派の3人が揃っていることもあり、早くも“神ドラマ”になるとテレビ関係者の間で評判です」(同上)

 新しい形のドラマを作り出している女性クリエイターたち。これからのドラマ界を、より盛り上げてくれることだろう。