なにわ男子は「初心LOVE」のイメージが強かったので、2nd「 The Answer」(2022年4月27日リリース)の強烈なギャップにやられました。曲によって表現をバチっと切り替えていて、みんな人が変わったみたい。ダンス自体はこの曲が一番見どころが多いと思うので、細かくチェックしていきましょう!
【0:13】、イントロでメンバーが歩いて立ち位置につくシーン。あれ? これ、西畑くんだよね……? 「初心LOVE」のときとは別人みたいなオーラ。顎が上がっていてあえて猫背で歩く感じで、力の抜けた哀愁漂う雰囲気が良く伝わってきます。表情も口角を下げることでより雰囲気を際立たせています。お見事!
「初心LOVE」の解説で、長尾くんは動きが大きいメンバーだと書いたのですが、【0:18】手を内から振り上げる瞬間を一時停止してよく見てください。しっかり手のほうを見上げていて、宙に浮くくらい体もダイナミックに動かしています。
【0:21】広げた両手を内回しで下ろすシーンは、西畑くんの手が最後まで残っているのが印象的。音をよく聞いて最後まで使い切れている証拠です。たったこれだけの違いでも、グッと目を引くダンスを踊ることができますね。
【0:37】~【0:40】「孤独に怯えないで」のところは、スローじゃないほうが見やすいかも。大橋くんを見てください。動きの前に若干ブレを作っているのがわかりますか? これは意図的な動きで、「ノリ(グルーヴ)」を見せるテクニックです。強い体幹と優れたリズム感、そして音にノれる心の余裕がないと見せられない動き。これは大橋くんが得意なテクニックのようで、他のシーンにも出てきます。
道枝くんはグループで一番身長が高いメンバーで、179cmあります。それなのに、【0:43】~【0:44】「全部打ち明けて」では、他のメンバーと同じ高さまで頭の位置を下げているがわかりますね。けっこうキツい体勢だと思いますが、こうしたちょっとした工夫があるからこそ、なにわ男子はグループとしてまとまりを演出できるんです。
【0:48】~【0:50】「埋める悲劇のreason」のところ、西畑くんの右足の動き、一般の方は真似しないでください! 右ひざを内側に入れる動きですが、ひざも足首もかなり内側まで入っています。しっかりと踊れる体作りができているからこそ可能な動きなので、柔軟トレーニングしていない方が真似すると、捻挫する恐れがあります。
【0:55】「拾い集めて“count”」、右腕を顔の前に持ってくる部分、藤原くんだけ手の平が上を向いています。一つひとつの動きが自分らしく見えるよう研究するタイプに見えました。努力したという自信を感じますね。
【1:00】の振り付けは、「Ray of light in my “in my”」で一度、右腕を左側に振ってから「eyes」で正面にポーズを決めます。「“in my”」の溜め動作のときに一時停止してもらうと、ここでも長尾くんの動きが人一倍大きいのがわかると思います。他のメンバーの右肘が左手首に触れる程度なのに対し、長尾くんは肘同士がくっつくほど上体をひねっていますね。こうして「準備動作」を深く大きくすることで、振り付けを大きく踊ることができます。
いよいよサビに入ります。ちょっと見づらいんですが【1:07】の「君が叫ぶ強い想いが」で、後ろにいる高橋くんの見せ方が上手だなと感じました。手の平が外向きで顔の近くにあることで、小顔でスタイルがいい高橋くんの長所を存分に活かせています。パワーで魅せるタイプのダンスじゃないけど、とても見栄えの良いダンスだと思います。
メンバーの中で一番身長が低い大西くん、【1:10】「求める」では、つま先立ちになっています。そのあと「ミステリーラブ」の部分では他のメンバーより若干深くなるよう膝を曲げていますね。縦軸の動きを大きくすることで、体が大きくなくてもダンスに迫力を出すことができています。
【1:19】「あきらめはしな“い”」で、“ジャン、ジャン、ジャン、ジャン”と4つ音を取る部分。振り付けは、腕を右、左、正面、上と動かせばOKですが、大橋くんの膝をよく見てください。手のアクセントより先に膝が動いているのが見えますか? どこをプラスで動かしたら見栄えがいいか完璧に理解していて、実際にその通りに体を動かすスキルがあるということです。そのあと【1:23】あたりまでの部分も上級者です。【0:37】でも解説したブレのテクニックを使っていて、音の取り方が上手!
【1:35】「物語の先へ」では、道枝くんの手の平にちょっとした工夫が。一時停止してみると、上げた手の平が正面を向いていますね。このあとグーになるので、最初にパーでシルエットを大きく見せておいたほうが、差が大きく見えてGood!
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「初心LOVE」にはない魅力がたくさん詰まった曲でしたね! メンバーそれぞれが自分の個性を理解していて、それを活かす場面もあれば、他のメンバーと馴染むように補って踊る場面もあって、グループ全体としてよりよく見えるように努力しているのを感じました。