コーチェラ出演、『First Love 初恋』、そして「First Love」の再ヒットへ

 『コーチェラ』への出演によって宇多田ヒカルへの注目がさらに拡大されたことは想像に難くない。そして改めて、記録的な大ヒットとなった宇多田のデビューアルバム『First Love』の影響力の大きさを知らされた機会ともなったが、ここにきて今度は名バラード「First Love」の再ヒットが起こっている。

 きっかけはもちろんのこと、11月24日に配信されたNetflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』だ。満島ひかりと佐藤健のW主演となるこのドラマは、宇多田の「First Love」「初恋」の2曲にインスパイアされた長編ラブストーリーで、アジア地域で大きな反響を呼んでいる。

 Netflix内では日本のテレビ部門で3週連続1位となっている『First Love 初恋』だが、グローバルトップ10のテレビ・非英語部門でも3週連続トップ10入り。この“グローバル”人気を牽引しているのがアジア地域での支持で、台湾で1位、香港で2位となったほか、インドネシア、フィリピン、シンガポールでトップ10入りと人気を博している。

 デビュー24周年となる12月9日には、ドラマの鍵となっている2曲を新たにミックス/マスタリングし直した「First Love(2022 Mix)」と「初恋(2022 Remastering)」の2曲を収録した7インチ盤が発売され、配信リリースもされたが、実はこのニューバージョンのリリースより前からドラマの影響で「First Love」の人気が再燃。台湾やインドネシアでは早々に配信ダウンロードチャートで1位となっている。Spotifyのバイラルチャートでは、台湾ではドラマの配信直後から週間1位に急浮上し(12月1日付)、4週連続で首位を走り続けているほか、香港では12月15日付で週間6位に。日本では週間16位(12月15日付)まで上昇している。

 こうした反響で、世界200を超える国・地域におけるデジタルダウンロードおよびストリーミング再生数で構成されるビルボードの「グローバルチャート」では、12月24日付で147位に登場。米国のデータを除外した「グローバル・エクスクルーディングUSチャート」では61位とトップ100入りを果たしている。およそ24年前の楽曲が、いかに今も愛され続けているかがうかがえる結果だろう。なお本邦においては、ビルボードジャパンのストリーミング・チャート(21日公開)において「First Love」が3位に浮上している。

 来年1月19日に40歳の誕生日を向かる宇多田ヒカル。cubic U名義を含めれば27年以上のキャリアを誇るが、ここにきて真の黄金期を迎えているといえそうだ。進化し続ける宇多田の次の一手は、これまで以上に世界から注目されることになるだろう。