地上波のドラマと言えば、基本的に幅広い層に向けた作品が多いはずだが、今後はよりコアな層に向けた作品も増えてきそうだという。

「地上波ドラマを楽しんでいる視聴者は、あまり映像コンテンツにお金を払う習慣がない人が多い。でも、深夜帯のドラマなどを見ると、ボーイズグループやアイドル、若手俳優を起用しているケースが多く、そういったファンは、普段の“推し活”のなかでお金を使うことに慣れています。

 つまり、“課金慣れ”している視聴者をターゲットにすることで、有料のネット配信サービス加入者を増やそうとしているんです。コアなファンであれば、推しが出演するドラマを見るために月額1000円くらい払うことなんて、当たり前のことですからね。別に地上波でドラマを観てもらう必要なんてなくて、そういった層にお金を使ってもらうことが目的となりつつあるんです」(同)

 近年はあまり景気のいい話が聞こえてこないテレビ業界だが、今後はドラマを軸に進んでいくのだろうか。

「すでにバラエティ番組は減少傾向にあり、その代わりのドラマ枠が増えています。スポーツの中継なども放映権にお金がかかるので減っている。また、深夜ドラマなどはもちろん低予算なんですが、お金をかけずに作るノウハウが完成されつつある現状もあります。クオリティについてはなかなか厳しい部分はあるものの、出演者のコアなファンを狙うのであれば、それでもOKという現実もあり、ひとまずはドラマ増加の傾向は続いていくと思いますね」(同)

 テレビ番組表からバラエティが消え、ドラマとニュースばかりになっている──2023年には、そんな状況があるかもしれない。