King & Prince・平野紫耀が主演を務めるTBS系金曜ドラマ『クロサギ』の第9話が12月16日に放送された。父親が遭った詐欺によって家族が崩壊し、「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となった黒崎高志郎(平野紫耀)の復讐劇がいよいよ終局へと近づくなか、最終回直前にふさわしい波乱に満ちた展開だった。

 黒崎の父・黒崎浩司を騙した詐欺師・御木本(坂東彌十郎)に引導を渡したあと、発覚した新たな仇の存在。現在はひまわり銀行で経営企画部門・執行役員を務める宝条兼人(佐々木蔵之介)による詐欺的行為で黒崎の父は破産に追いやられ、一家心中に及んだのだった。宝条に目標を定めた黒崎は、第7話・第8話で宝条の手下を“喰い”ながら宝条の情報を集めていくも、第8話のラスト、脱税の容疑でいきなり逮捕されることに。宝条は、ひまわり銀行の系列銀行に黒崎の通帳をでっち上げさせ、そこに記帳されたありもしない取り引きで黒崎は脱税の疑いをかけられたのだった。

 しかし黒崎はあっさり釈放。詐欺師界のフィクサー的存在であり、黒崎を詐欺師として仕込んできた“育ての父”桂木敏夫(三浦友和)が手を回したのだ。黒崎は桂木のもとに向かい、礼も言わず、「親爺。あんたの仕事を請けるのはもうやめにする」と決別を宣言する。答えようとしない桂木。だが、「こっち向けよ。“桂木さん”」と言われると桂木は手を止め、「そんなに宝条を喰いたいか?」と訊ねる。そして「宝条を狙えば、あいつの周りのドでかい奴らまで敵に回すことになる。次は逮捕じゃ済まないぞ」と黒崎に警告する。

 だが黒崎は、「宝条って人間は、誰かの金や誰かの命でできてる。自分の野望のために平気で人を犠牲にして踏み潰していく。これまでも、これから先も。宝条と組んでるかぎり、あんたの命令はもう聞けない」と、宝条の生き方を許せないこと、だからその宝条とつながっている桂木のもとを離れるのだと思いをぶつける。「だったら、俺もやるしかないな」と受けて立つ桂木。「宝条を喰って、最後は俺なんだろ?」「喰い合いだな」と言われ、黒崎は目にためていた涙がついに溢れてしまう。桂木は、黒崎の父を騙した詐欺の「設計図」をつくった人物だ。いつかは訪れる決別の日だったが、なんとも切ない“宣戦布告”となった。