地球温暖化による海面上昇によって、海岸が狭くなってきていると言われるワイキキビーチ。ハワイ大学がこのワイキキビーチを調査し、2年間の調査結果を発表しました。
22億ドルの価値があるといわれるワイキキビーチ
オアフ島の南岸に位置するワイキキビーチは、ハワイを旅行する人にとっては、はずすことのできないビーチの一つ。
ビーチの名前となっている「ワイキキ(waikiki)」は、「wai(水が)」「kiki(涌く)」というハワイ語から名付けられたもの。
かつてこのビーチのあるワイキキはタロイモ畑や養魚池などが広がる湿地帯でした。
この湿地帯を埋め立てて作られたリゾート地が「ワイキキ」で、実はワイキキビーチはカリフォルニアから運び込まれた白砂で作られた約3Kmにわたる人工のビーチです。
ワイキキビーチはこのエリアにある9つのビーチの総称で、東からアウトリガーカヌークラブビーチ、カイマナビーチ、クィーンズビーチ、カピオラニビーチ、クヒオビーチ、ロイヤルモアナビーチ、グレイズビーチ、フォートデルッシービーチ、カハナモクビーチの順に各ビーチが並んでいます。
そしてこのワイキキビーチ、今ではおよそ22億ドルもの価値があると試算されており、その維持のために多くの予算が使われているハワイを代表するビーチなのです。
ハワイ大学が2年間の調査結果を発表
さまざまな理由によって海岸線の浸食が深刻化しているワイキキビーチですが、ハワイ大学はこのたび、ワイキキビーチの浸食に関する最新の調査結果を発表しました。
この調査は2018年から2020年にかけて行われたもので、調査対象となったのはロイヤルハワイアンホテルに面したロイヤルモアナビーチです。
調査はドローンを使用して上空から定点観察したもので、面白い結果が発表されました。
砂浜が狭くなっているといわれているワイキキビーチですが、2018年は中部太平洋で発生したハリケーンと、ハリケーンによる南側の強烈な波のうねりによってビーチの幅、砂の量が増えたことが分かりました。
しかしその後の10ヶ月の観測では増えた以上の砂が浸食され、ビーチの幅が再び狭くなってしまったことが分かったそうです。