『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸がんになる』の作者・ひるなまさんが12月12日、闘病の末、天国へと旅立たれました。哀悼の意を表し、2021年5月5月に公開したひるなまさんへのインタビュー記事(前編)を再掲載します。ひるなまさんのご冥福をお祈りいたします。

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「38歳職業エロ漫画家。ある日突然、腹が減る。」と思っていたら、【大腸ガンのステージ4】だった!

 BL漫画家の「ひるなま」さん(@daicho_polaris)が、自らの闘病体験を描いた漫画『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸がんになる』(フレックスコミックス)が、2月の発売以来、話題を集め続けています。

話題のガン闘病漫画、「転んでもタダでは起きるものか!」という思いがあった
 現在も闘病を続ける「ひるなま」さんにインタビュー。前後編に分けてお届けします。

◆『鳥獣戯画』風のキャラクターにしたワケ

――『鳥獣戯画』風の愛らしいウサギやカエルたちが目に飛び込み、とても手に取りやすいです。

ひるなまさん(以下、敬称略)「そう言っていただけると嬉しいです。病名が“大腸ガン”ですので、詳しく描くにはどうしても、肛門だのお通じだの吐き気だのを描くことになってしまいます。でも大事なそれを避けたくはなかった。かといって読んだ人を苦しくさせてはいけないので、楽しく読んでもらえるるように生々しさを緩和しようと考えて、こうなりました」

――「プロレス好き」だという「夫」さんの絵柄も可愛らしいですね。漫画で闘病記を描くと決めたとき、「夫」さんの反応はどんなものでしたか?

『鳥獣戯画』風のキャラクターにしたワケ
ひるなま「『この体験を漫画に描きたいので、登場させてもいいか』と聞くと快諾してくれたので、『許容する人物像の描かれ方』『コスチュームはショートタイツでいいのか』など何点か質問と確認をしました。細かい企画内容などの公開前情報は家族にも見せませんが、『体験談はきっと少なからず人の役に立つだろう』と夫は非常に積極的に応援してくれました」