『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸がんになる』の作者・ひるなまさんが12月12日、闘病の末、天国へと旅立たれました。哀悼の意を表し、2021年5月15月に公開したひるなまさんへのインタビュー記事(後編)を再掲載します。ひるなまさんのご冥福をお祈りいたします。

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 ポジティブ闘病記、『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸がんになる』(フレックスコミックス)の著者である漫画家の「ひるなま」さん(@daicho_polaris)へのインタビュー前後編。

大腸ガンの38歳エロ漫画家、術後そのまま劇場へ「推しから生命力をもらった」
 執筆の際に気を配ったことや、発売後の周囲からの意外な反応などを聞いた前編に続き、後編では、「ひるなま」さんが影響を受けた漫画や、大腸ガンの手術をして退院した日に舞台『刀剣乱舞』を観に行った(!)というパワフルな「ひるなま」さんの、今の“推し”についてなど、人物像にも迫ります。

 また、今もなお続くコロナ禍で闘病を続ける「ひるなま」さんに、病を抱える人だけでなく、健康な人へのメッセージを聞きました。

◆きっかけは、『忍たま乱太郎』!?

――漫画家を目指すことに繋がったきっかけを教えてください。

落第忍者乱太郎 1
ひるなまさん(以下、敬称略)「アニメ『忍たま乱太郎』の原作『落第忍者乱太郎』です。ドはまりして居ても立ってもいられず二次創作を描いたのが、初めて描いたストーリー漫画だったのですが、その時、私はもう29歳でした。

 それ以前からイラストのお仕事はしていましたが、あの『乱太郎』とそれを取り巻く二次創作の世界との出会いがなければ同人活動も始めませんでしたし、拙作に登場する友人知人とも出会えず、今頃漫画も描いていなかったと思います。幅広い人々を惹き付ける壮大な作品世界を築かれた尼子騒兵衛先生に、心から感謝しております」

――そうなんですね! 『落第忍者乱太郎』に、本書の『鳥獣戯画』風キャラクター、そしてご自身のBL漫画『陰の間に花』にも和のテイストを感じます。もともとお好きなのでしょうか?

BL漫画『陰の間に花』
ひるなま「国籍や文化圏による好き嫌いは本来ありません。ただ勉強する上では、日本の中近世の庶民文化史に興味を持って来たので、その知識の範囲内で描かせてもらったが『陰の間に花』です。あとは、私は筆圧が弱すぎてGペンではなく筆で漫画を描いてきたので、筆のタッチを活かしたいという気持ちはありまして。昔から皇名月先生の絵に憧れていたので、影響を受けていると思います」