「家族が自然派ママ」という人の苦労話を聞くことがよくあるが、Mさんの周囲はどう受け取っていたのだろう。

自然派ママ202212-3a
※写真はイメージです(以下同)
「昔からの友人には独身も多かったからか、『子どもを持つといろいろ気を遣うんだね!』くらいの反応でした。夫は海外赴任も多く基本的に日々の世話を見る機会が少なかったので、食材にこだわる私を見て『すっかり健康的になったね』程度です」

自然派育児で最も衝突し、今でもしこりがあるのは、孫の体を心配するMさん母だ。

「会うたびにケンカばかりです。保湿とか病院とかワクチンとかは何もしてあげないくせに、風邪とかひくとレメディやらお手当てやら余計なことばかりする!って(笑)。ぐうの音も出ないほどその通りなのですが、当時は自分のやっていることが正しいと思っていたので、それはそれはぶつかりました」

◆育児をめぐって実母と衝突

沼抜けした今も、当時できた傷跡がたまに開く。

「頻繁に実家に滞在していたんですが、当時は食材とかにすごく気を遣っていたので、親のやることがいちいち気に障るんですよ。だから子どもの離乳食と洗濯は私がやる! と親に手出しをさせなかった。一緒にスーパーマーケットへ行っても、私がアレもダメコレもダメと言っていたので、今でも私たち親子と過ごすときは、一体何を買えばいいのかわからないと言われてしまう」

育児の常識はどんどん変わっていくので、育児法をめぐっては世代が違うだけでも衝突の種になりがちだ。そこへさらなるこだわりが加われば、いわずもがな。

さらに自然派コミュニティのなかでも、微妙なトラブルがたびたび発生していた。