テレビの制作現場ではよく「目線」という言葉を使うのですが、同じような企画でも「どこに目線をつけるか」で、見え方が全く異なることがあります。例えば、TBSで恒例となっている『壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち』と特番があるのですが、これは『プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達』という番組の目線を変えて生まれたもの。両番組は、どちらもプロ野球選手を題材にしたドキュメンタリーなのですが、選手本人ではなく、その家族に目線を当てることで、似て非なる番組が生まれたわけです。

 目線ということでもう1つテレビ番組を例に挙げるなら、近年で1番のヒット番組として注目されている『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ/日本テレビ系)も目線のつけ方で成功した番組だと思います。テレビ界では古くからデカ盛りグルメを扱うのは定番となっていますが、この番組は従来のデカ盛り番組とは目線を変えて、メニューではなくお店の店主にスポットを当てています。この目線のつけ方がこの番組のヒットの要因の1つであることは間違いありません。

 グルメ、ドキュメント、歌、トークなど、テレビ番組には様々な定番ジャンルがありますが、似ているように見えてそれぞれの番組が目線のつけ方を工夫して、独自性を出すような作りがされています。今後、そこにも注目していただくと新たな楽しみ方が出来るかもしれません。それでは今日はこの辺で。