ノルウェー語で“Skogkatt(スコグカット/森林の猫)”と呼ばれるノルウェージャン・フォレストキャットは、国王オラフ5世により、国の猫として公式に指定を受けた猫種です。
自然淘汰によって生まれ、森で生きられるだけの逞しさとは裏腹に、穏やかでフレンドリーな猫として知られています。

1.ノルウェージャン・フォレストキャットの歴史

原産国:ノルウェー

ノルウェージャン・フォレストキャットの起源について、一つには、ヴァイキング(8世紀末または9世紀~11または12世紀)がイギリスから北欧のスカンジナビア半島にもち込んだ短毛の猫に源流があるという説があります。
ヴァイキングはネズミ退治用として猫を船に乗せ、ともに旅をしていたと伝えられており、その猫たちがノルウェー周辺で土着したと考えることもできます。

もう一つには、十字軍(11世紀~13世紀)が連れて来た長毛の猫が祖であるという説がありますが、どちらの説も想像の域を出るものではありません。いずれにしても祖先猫たちは長きにわたってノルウェーの森に生息し、野生の猫として逞しく生きていたようです。

その姿はノルウェーの神話や民話、おとぎ話、伝説などにも残されているといいますから、古い猫種であることに間違いはないのでしょう。1938年には、国王オラフ5世によって、“国の猫”として指定を受けています(※1)。

2.ノルウェージャン・フォレストキャットの特徴

ノルウェージャン・フォレストキャットの愛称は、「ウェジー(Wegie)」。

おとぎ話には北欧神話の女神フレイヤ(Freya / Freyja)の馬車を牽引する巨大な猫として、また、童話の妖精物語では「フルドレカット(妖精の猫)」として登場するのがこのノルウェージャン・フォレストキャットではないかと言われています。

ノルウェー国民には深く浸透した元野生猫ながら、人とつかず離れずにいることを好み、ワイルドな面と家庭猫としての面と両方の要素を兼ね備えた点は特徴の一つと言えるでしょう。

ノルウェージャン・フォレストキャットの容姿

ノルウェージャン・フォレストキャットの体重はオス猫で5.4kg~8kg、メス猫で3.6kg~5.4kg程度(※1)。メス猫は平均的ですが、オス猫ではやや大型になります。

尖った三角形の耳は凛々しさを感じさせ、筋肉質の体を支える後肢は前肢より長く、ジャンプ力のあることを示しています。
長くふさふさの尻尾は、極寒の冬の森で体を包み込むのに役立ったことでしょう。

手触りがやや粗い被毛は豊かなセミロングで、自然環境の中、ハンターとして生き抜くことの厳しさを表しているかのようです。

毛色パターンにはソリッド(単色)、バイカラー、タビー(縞模様)などがあり、毛色はブラック、ホワイト、ブラウン、レッド、クリーム、ブルー、シルバー、アンバー(琥珀色)など様々な系統が存在し、それぞれに違った魅力があります。

ノルウェージャン・フォレストキャットの性格・気質

野生で生き抜いてきた遺伝子をもちつつ、ノルウェージャン・フォレストキャットは穏やかでフレンドリーな猫と言われます(※1,2)。

ただ、人間にべったりというわけではなく、例えば膝に抱かれるよりも、人の近くにいることを好むタイプのようです。
どちらかというと控えめで、騒々しい環境は苦手とも言われています。

3.ノルウェージャン・フォレストキャットを迎える方法

【専門家監修】ノルウェージャン・フォレストキャットの性格や飼い方のコツ、寿命、なりやすい病気まで全部紹介!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

ノルウェージャン・フォレストキャットを迎えるには、主にペットショップ、ブリーダー、動物保護団体・動物愛護センターなどのルートがありますが、その前に知っておきたいこともあります。
それを理解した上で、入手先を決めましょう。

. 「動物の愛護及び管理に関する法律」により、販売者は対象となる動物を直接見せ、飼育方法などについて購入者と対面した上で文書を用いて説明しなければなりません。これを怠る販売者はNGと言わざるを得ません。

. 2022年6月1日より、販売される犬猫にはマイクロチップ装着が義務化されました。猫を購入後は、飼い主さん自身の情報へと変更登録する必要があります。

詳しくはこちら⇒環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室「令和4年6月1日から開始するマイクロチップ登録制度に関する飼い主の方向けQ&A」

ノルウェージャン・フォレストキャットの入手先

入手先1 ペットショップで探す

ペットショップで販売される猫は、契約ブリーダー、自社(自家)繁殖の他、多くが生体市場経由で仕入れられた子猫です。
現在、動愛法の改正により、生後56日(8週齢)に満たない子犬子猫は販売できなくなっているので(特例として天然記念物指定を受けている日本犬の場合は生後49日)、子猫の生年月日は確認するようにしましょう。

子猫を選ぶ際には、できれば親猫を見ることができると理想的ですが、ペットショップでは稀です。

入手先2 ブリーダーから購入する

真摯なブリーダーは特定の猫種にこだわりをもって繁殖しており、その猫種についての知識も豊富です。
子猫の価格については、ブリーダー登録サイトは別として、ブリーダーのホームページ上では公開していないことがあるので、直接問い合わせる必要があります。

予約をすれば見学も可。親猫や、子猫が育った環境を見られる点はプラスポイントです。

入手先3 里親になる

行き場のない猫はまだまだ多くおり、そうした猫を迎えるのも一つの選択肢です。この場合、子猫とは限らず、成猫や老猫もいます。

入手先としては動物保護団体や各自治体の動物愛護センターなどがありますが、里親になるには一人暮らしや65歳以上の人は不可、その自治体在住者のみなどそれぞれ条件が設けられていることがあるのでよく確認してください。

ノルウェージャン・フォレストキャットを迎えるときの費用相場は?

現在、子犬子猫の価格は以前に比べて大幅に高騰しています。したがって、決して安い買い物ではなく、ましてや一つの命を預かるわけですから、熟考の後、猫をお迎えください。

その結果、ノルウェージャン・フォレストキャットを迎えると決めた場合、おおむね以下の初期費用がかかります(商品に関しては一般的なものから少々リッチなものものまで含みます)。

ノルウェージャン・フォレストキャットを迎える場合の費用の目安

項目 費用の目安
ノルウェージャン・フォレストキャットの子猫の価格 15万円~
混合ワクチン(Felv含む) 3,000円~1万円程度(※3)
猫用ベッド 1,000円~5,000円程度
サークル・ケージ 5,000円~1万5,000円程度
食器・水飲み・フード(ドライフード1袋)類 3,000円~8,000円程度
トイレ・トイレシート類 3,000円~7,000円程度
ブラシ・コーム・爪切り類 1,000円~6,000円程度
おもちゃ類 1,000円~2,000円程度
キャットタワー 5,000円~2万円程度
合計 約2万5,000円~7万円程度+子猫の価格

※価格はあくまでも目安であり、販売者や子猫の状況、動物病院、商品などの条件によって変動します。