お笑い賞レースと言えば、やはり一般的に頭に浮かぶのは「M-1グランプリ」「キングオブコント」「R-1グランプリ」「女芸人No.1決定戦THE W」で、これらが四天王だとは思います。芸人さんは、これらの大会の決勝を目指しながら活動するという目標があります。決勝に出られれば馬鹿売れする可能性も秘めています。
それとは真逆に、凄い小さな賞レースもあります。僕が知る限りは、これより小さな賞レースはありません。名前は「世界ピン芸人協会大賞」。いちおう予選が9月から始まり、結果はツイッターで発表されます。1回戦、2回戦、3回戦、準々決勝、決勝、とあります。一見大きな大会に見えるのですが、本当に日本一小さいのです。予選はどこで行われているかというと、どこでも行われていません。しかし、合格発表はあり、1回戦の合格者として芸名が記されています。その芸人の名前も実際に活動している人たちです。
この大会は1回戦から決勝まで、全組が勝ち上がるシステムになっています。要するに戦う必要がないのです。エントリーした時点で、1回戦から決勝まで何ひとつ動かなくても全自動で進出してしまうのです。M-1グランプリの予選と同じぐらいの時期に「1回戦の合格者はこちらになります」とツイッターで流れてきて、それが不自然に4回続くのです。