テレ朝ドラマの配信の弱さ TBS『君の花になる』は“深夜ドラマレベル”へ
『PICU』は山崎賢人主演のTBS系日曜劇場『アトムの童』と4位タイとなったが、『アトムの童』は、『silent』休止効果でTVer総合ランキングでの1位期間が少し伸びたことでポイントは前週よりやや上昇したが、基本的にはポイントの動きが少なく、安定した状態が続いている。一方、厳しい状態なのが岡田将生主演のテレビ朝日系木曜ドラマ『ザ・トラベルナース』だ。世帯視聴率上は3話連続で12%台をキープするなど絶好調だが、TVerでは初回は好調だったものの第2話からガクンと動きが鈍り、11月17日放送の第5話では一瞬調子を取り戻したかに見えたが、また元の状態に。TVer人気はコア視聴率(13歳~49歳の個人視聴率)と連動しているとよく指摘されるが、実際、『ザ・トラベルナース』のコア視聴率は、世帯視聴率では圧倒的に『ザ・トラベルナース』に負けている『エルピス』よりも下で、『silent』の半分ほどの水準。前期の『六本木クラス』は世帯視聴率もTVerも優秀という理想的な結果を残したが、ふたたびテレ朝ドラマの配信の弱さが露呈した形だろう。
そして不調といえば本田翼主演のTBS系火曜ドラマ『君の花になる』。放送がもっとも遅かった『エルピス』が10月24日から始まった影響というのもあるが、11月1日放送の第3話あたりからTVer総合ランキングでの動きが如実に悪くなり、本人気ランキングでは200ポイントに届かない週も増えてきた。今週は『silent』休止の影響で、他作品の順位が全体的に上昇しているが、その中でも『君の花になる』は前週と大差ない動きに留まっており、このぶんでは次週はまた厳しい状態となりそうだ。
今週は、もともと不調だった清原果耶主演の日テレ系日曜ドラマ『invert 城塚翡翠 倒叙集』がさらにポイントを落としているが、これは11月27日放送回が「特別編」だったためだろう。『invert』第1話の放送の翌週に、11月13日に放送を終えたばかりの『霊媒探偵・城塚翡翠』の伏線を振り返る特別編を挟むという編成は賛否を呼んだが、ワールドカップとぶつかるのを避けたかったのだろうか。
そして先週言及した、11月22日より初の配信が始まった2008年のTBSドラマ『流星の絆』が本人気ランキングで今週9位にランクイン。土曜から金曜までを集計している本ランキングの性質上、火曜から配信が始まった『流星の絆』は先週は15位スタートとなったが、初のフル集計となった今週で勢いを見せた。『ファーストペンギン!』『君の花になる』といった現在放送中のゴールデン・プライム帯ドラマを上回る成績で、改めて『流星の絆』の人気の高さがうかがえた結果だ。