このように、同じ映像素材を使っていても、ナレーションのつけ方で全く違う映像が仕上がるわけです。ただでさえ面白い珍プレーが、『珍プレー好プレー大賞』ではアフレコナレーションによって何倍も面白く仕上がっていますよね。
このアフレコナレーションの演出を考えつき、実行に移した制作者も凄いと思いますが、それをあそこまでのクオリティでやり切っているみのもんたさんの能力にも脱帽です。しかも、みのもんたさんがこのナレーションを収録する際に台本はなく、アドリブで行っていたと言うから驚愕です。
余談ですが、同じ映像でも演出によって見え方が全く変わるということのたとえ話として、『オレたちひょうきん族』『森田一義アワー 笑っていいとも!』(共にフジテレビ)のプロデューサーとして知られる横澤彪(よこざわたけし)さんがこんなことを言っていたそうです。
「テレビ画面にただの飛行機が映っているだけなら誰も見ないけど、そこに“この飛行機が今ハイジャックされています”というテロップが入ったらみんなが見る」
これは映像演出の、核心を突いた素晴らしい話だと思います。
読者のみなさんも今後、動物の可愛らしいハプニング映像や衝撃映像集の番組を見る時には、映像編集に注目していただくと、これまでと違った楽しみ方ができるかもしれません。それでは今日はこの辺で。