◆3.肉は、「A4ランク」までにとどめる

東京會舘で提供されていた牛肉。霜降り加減は適度な感じ
東京會舘で提供されていた牛肉。霜降り加減は適度な感じ
 おいしいすき焼きを作るためには、A5ランクの霜降りたっぷりな牛肉を使わないとと思っている人がいるかもしれませんが、あまりに脂身が多いのは過剰だそうです。

 A4くらいにとどめて、野菜の繊維質と合わせて味わっていくのが良いバランスとのこと。また、現代人はよく噛んで食べる習慣が弱いため霜降り肉が食べやすくもありますが、お肉本来のおいしさや食感は赤身にあることを忘れてはなりません。

 以上3点をふまえて、自宅で京風すき焼きを作ってみました。まずは醤油、グラニュー糖、昆布だしを用意。牛脂で肉と野菜を焼きながら、味付けをしていきましょう。

 割り下スタイルよりも途中で味の調整がしやすく、一度慣れてしまえば簡単で失敗がありません。野菜は玉ねぎの他、春菊、キノコ類を。焼き豆腐やしらたき、丁字麩も定番だそうです。今回は丁字麩がなかったので、かまぼこで代用しました。

自宅で作ってみたところ、いつもよりもおいしいすき焼きが完成。調理も簡単です
自宅で作ってみたところ、いつもよりもおいしいすき焼きが完成。調理も簡単です
 今回改めて、「すき焼きってこんなにシンプルでおいしかったのか!」と再確認することができました。みなさんもぜひ一度お試しください!

<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12