草なぎ剛「グループもなくなっちゃったし」まるで“SMAPのメンバー”のように出演したドキュメンタリー
(画像=『芸能人監督グランプリ』(日本テレビ系)公式サイト、『日刊サイゾー』より引用)

 12月2日に放送された『芸能人監督グランプリ』(日本テレビ系)は、「芸能人が監督となり、本当に気になる人のドキュメンタリーを本気で撮る」がコンセプトの特番。この番組で、MC・東野幸治が被写体に選んだ芸能人は、草なぎ剛であった。

 まず、東野幸治監督のほうに注目したい。“人間の心を持たない”と呼ばれる彼である。人に興味を持たなそうなイメージだが、YouTubeチャンネル「東野vs」では毎回1人の芸能人を呼び、自動車内でサシのインタビューを敢行中。たぶん、彼はすごく人に興味がある。意外に、この企画に向いていると思うのだ。

 そんな彼が、草なぎ剛を指名した。以前、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に草なぎが出演した際、映画『ミッドナイト・スワン』でトランスジェンダーの主人公を演じた草なぎの演技を東野は絶賛。しかしそのとき、「草なぎから深い話をまったく引き出せなかった」という後悔が東野に残ったようなのだ。

 かつて、『4時ですよーだ』(毎日放送)に出演した本木雅弘から、「あの番組で東野さんから無視されて、ストレスで吐いてしまった」と27年後に暴露されたのが彼だった。若手時代の東野を振り返ると、本当に隔世の感である。

 一方の草なぎ。東野がたどり着かなかった深い部分が、草なぎには本当にあるのだろうか? それとも、本人は何も考えていないけれど、周囲が勝手に「この人は深い」と深読みするタイプか? どちらにしろ、興味深いセッションである。

草なぎ剛の肩書は「職業:SMAP」から「タレント」へ

 密着当日、東野と落ち合った草なぎはデニムのジャケットを羽織っており、その襟元に輝くは、新しい地図ファンサイト限定のピンバッジであった。VTRのBGMに採用されたのは、なぜか全曲ビリー・ジョエル。カメラ撮影は当然、東野が担当し、ナレーションを吹き込むのも東野だ。普段からYouTubeチャンネルで自ら撮影を担当している東野。草なぎを映す画面からは、小慣れた感じが伝わってくる。

東野 「改めて、お名前伺っていいですか?」
草なぎ 「草なぎ剛と申します」
東野 「年齢はいくつですか?」
草なぎ 「48歳です」
東野 「職業って言われたら、どう答えるんですか?」
草なぎ 「タレントですかね」
東野 「アイドルじゃない?」
草なぎ 「う~ん……アイドルでもいいんですけど」
東野 「あまりこだわらない、肩書に?」
草なぎ 「う~ん……そうですね、こだわってないですね」

 48歳の草なぎ。なにげにSMAP解散以降、最も容姿が変わっていないのは彼な気がする。草なぎの肩書は「タレント」。かつて、「職業はSMAP」だったが、もう今はそれは言えなくなった。

 この秋、草なぎのスケジュールのほとんどを締めていたのは、香取慎吾との二人芝居による舞台『burst!~危険なふたり~』である。舞台の稽古場に東野はお邪魔した。

東野 「正直、嫌でしょ?」
草なぎ 「正直、カメラあると意識しますよね(笑)」
東野 「でしょ? だから、素の草なぎ剛を……」
草なぎ 「全部、本当なんですよ(笑)! そうやって、作ってる自分も全部本当なんですよ。じゃあ、鼻くそほじったりとかそういうことですか(笑)」

 鼻くそはほじらなくていい。どうやら、面倒くさくなってきたようだ。ついには、東野に「なんで、この仕事をやってるんですか?」と逆質問し始めた草なぎ。たしかに、ドキュメンタリーの対象としては手強い相手かもしれない。

 東野は、舞台のスタッフらに草なぎの印象を質問して回った。

「剛さんはまったく謎ですね。すごくいろんなものに対してストイックで、好きなものへの探究心がすごい」(舞台監督)

「(スイッチのオンオフは)あんま感じないですけどねえ。僕らも掴みかねてるところがちょっとあるんですけど(苦笑)。不思議な方です」(演出補)

 草なぎクラスになると、家を出た瞬間から常にスイッチが入っているような気もするが。

 この舞台で演出を務めるのは、三谷幸喜だ。

「23年前、初めて自身のドラマに出演してもらって以来、草なぎ剛の才能に魅了された1人です」(東野によるナレーション)

 23年前ということは1999年。SMAPが出演した『古畑任三郎』(フジテレビ系)3rd Seasonのことを指しているのだろう。

東野 「草なぎ剛さんとは、一体どういう人間だと思われますか?」
三谷 「計り知れない方ですよ。台本を覚えてきてくれって言うじゃないですか? そしたら、次の日に(セリフが)入ってないんです、全然。どうしたんだろうと思ったら、『覚えようと思ったんだけど、1ページ目から改めて覚え始めてしまいました』って。『本当に覚えなきゃいけないところまでいく前に寝てしまった』って。僕、あんな俳優さんは見たことがない」

 褒めるどころか、若干ディスっている三谷。草なぎらしいといえば、草なぎらしいが。