宝条の甥で、氷柱の通う大学の助教である鷹宮も不穏な動きを見せている。それまで氷柱に想いを寄せていたが、前話で氷柱と意見がぶつかると激高し、「正直ちょっとガッカリしたなぁ……」などとつぶやいていた鷹宮。今回も貧困ビジネスを撲滅すべき理由について意見が割れると、氷柱の部屋の前で待ち伏せ、氷柱の考えを理想論だと切り捨てる。さらに、“アパートの大家”として現れた黒崎に「俺には、あんたのほうがもっと理想論に聞こえたけどね。研究室にこもって、机の上で考えただけの理想論」と痛い指摘をされると、感情の読み取れない表情で立ち尽くしていた。鷹宮の氷柱への執着は、徐々に狂気に変わっていくかもしれない。
クライマックスに向けてスリリングな展開が増えたように感じた第7話。ドラマにさらなる深みを生んでいるのは、佐々木蔵之介の好演だろう。オモテとウラの顔をもつ悪役を演じさせたら天下一品である。2021年放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』での羽柴秀吉役でも、ひょうきんなオモテの顔とは裏腹に、目的遂行のためなら身内をも躊躇なく手にかける冷酷さを演じ分けた。牛山をあっさりと切り捨てる人間性と恐さ漂う“無の表情”には「強敵」の風格が漂い、黒崎であってもその顔をゆがませることができるかどうかは、現時点では想像もできない。
緊張感が走る展開の連続だったが、一時の清涼剤となるのが黒崎と氷柱の恋模様だ。第6話での詐欺師を騙す“偽装カップルハグ”以降、黒崎への想いが高まった様子の氷柱。詐欺師への恋ごころを消そうとするかのうように、無理に遠ざけようとする姿、その反抗的な態度にムキになる黒崎。「もはやカップルだよ……」とツッコミを入れたくなるやりとりは、黒崎もひとりの人間であることをふと思い出させるシーンだった。黒崎は原作に従えば21歳ぐらいのはずだが、21歳男子の素の表情がもっとものぞく瞬間だったともいえる。
そして今夜放送の第8話では、令和版『クロサギ』のコメディ的な要素と恋愛要素がもっとも強い回になるかもしれない。予告映像では「アカサギ転身!?」の文字とともに、ホスト風のチャラい黒崎の姿があり、氷柱が嫉妬しているかのようなセリフも。「ゆっくり知り合えばよくない?」と言って女性を口説く“チャラ崎”の姿に興奮するファンも多かった。とはいえ、宝条との「ラストバトル」が始まる回でもあり、騙し合いも加速していくだろう。今夜放送の第8話は、これまで以上に見どころ満載となりそうだ。
■番組情報
金曜ドラマ『クロサギ』
TBS系毎週金曜22時~
出演:平野紫耀、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、坂東彌十郎、船越英一郎、三浦友和 ほか
原作:黒丸・夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:木村秀彬
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
公式サイト:kurosagi_tbs
提供・日刊サイゾー
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