◆彼の突然のサラダ奉行に困惑

 食事も中盤に差し掛かったころ。沙織さんはKさんが待つ食卓に追加の料理を運びました。すると、Kさんは置かれたサラダを見るや否やその横に添えられたドレッシングの容器を指差したそうです。

彼の突然のサラダ奉行に困惑
「てっきり、ドレッシングをサラダにかけて欲しいという仕草だと思ったんですが、違ったんです」

 実はそうではなく、Kさんはその市販のドレッシングは体によくない、サラダを取り皿にシェアするのにはトングを使うことがマナーだと言い始めたのです。

◆とまらない彼のサラダ愛

 沙織さんはKさんの言動をすぐには飲み込めなかったものの、なんとなく嫌な予感がしました。それと同時に今までKさんがトングを使って親切にサラダをシェアしていた理由も分かり、ついさっきまでルンルンだった気持ちが一挙にどこかへ行ってしまったそうです。

「ただ呆然とサラダボウルを見つめる私をよそに、Kさんが自分の独壇場といわんばかりにサラダ愛を語っていたのを覚えています…」