4.牧田先生に聞いた猫の触られてうれしい4つのポイント
お話を伺ったのは…
ペットウェルネス
牧田 明美先生&プーくん(スコティッシュ)
“ペットマッサージ”について海外で学び、インストラクターの資格を取得。現在はペピイ動物看護専門学校の講師も務める。
- さわることは愛猫を知るチャンス
- 基本を抑えて仲良くなろう
- 猫が喜ぶ4つのポイントと触り方
- 気持ちいいさわり方のコツ
- さわられるのが苦手な子のさわり方
さわることは愛猫を知るチャンス
愛猫から、“さわられる=気持ちいい”と思ってもらうことが、ふれあいの第一歩!さわられて気持ちいいところは猫によってそれぞれなので、愛猫の好きなポイントを見つけてあげてください。
基本をおさえてまずは仲良くなろう
先ほどご紹介したように、さわることは愛猫を知る絶好のチャンスです。ただし、一般的に猫が好きといわれる部分を嫌がる子もいるので、撫でながら愛猫の喜ぶポイントを探してみてください。
「いきなりは難しい」と思う方もいらっしゃると思いますので、おすすめポイントと撫で方を4つご紹介していきます。
猫が喜ぶ4つのポイントと触り方
【顔まわり】…人差し指でゆっくり撫でましょう。猫は顔が小さいので、人差し指だけで十分。耳・目・ひげのまわりの筋肉はよく動かすため疲れやすい部位ですので、撫でると筋肉をほぐしてあげることにもなります。
【前足・後足】…腕の付け根から足先に向かって撫でおろすような、さすりおろすようなイメージ。掴まれる感覚は嫌うので、掴まないように注意します。
【肩・首】…軽く押すようにマッサージ。肩甲骨から腕の付け根までを、指先で押していきます。ごく軽い力加減で。
【背中】…手のひら全体でやさしく撫でてください。頭のてっぺんから、しっぽの先まで、毛並みに沿って軽く撫でてあげます。毛並みに逆らう撫で方はNG。
気持ちいいさわり方のコツ
★始める前に…
● 飼い主さんも愛猫も落ち着ける環境で。
● アクセサリーや時計は外します。
● 静電気に気をつけて。
バチッとびっくりさせてしまうと、さわらせてくれなくなることも。乾燥する季節は濡れタオルで手を湿らせて。
<コツ1>やさしく、ゆっくりが鉄則!
スピードが速いと、イライラ・せかせかした気持ちに。ゆっくりさわることで、リラックス効果があります。また、筋肉をほぐしてあげることにもなります。
<コツ2>好むさわり方を見つけてあげて。
様子を見ながらちょっとずつ弱くしたり、強くしたり調節してあげてください。とろ~んとした表情は気持ちいいサイン。逃げてしまうなら嫌がっています。さわる手つきもいろいろ試してみましょう!
さわる手つきもいろいろ試してみよう!
さわられるのが苦手な子のさわり方
手の甲で撫でてあげて。
手のひらを嫌がる子は「掴まれる!」と思うのかも。手の甲なら安心してくれやすいです。あとは短時間から慣らしてあげて。
<ココは嫌がる子が多いかも…>
★ 嫌がるポイントも猫それぞれ。下記以外の箇所でも嫌そうなら無理はしないで。
足先・肉球 … 敏感な部分なので、嫌がることが多い部分。
お腹 … 最大の急所のひとつ。嫌がらないなら、指3本くらいで円を描くようにマッサージすると、便秘が軽減されることが。
気持ちよさそうだったのに…いきなりガブッ!どうして?
撫でられてうれしい場所は、急所である場合が多く、「リラックスしすぎは危険!」と本能的に咬んだり蹴ったりしてしまうんです。
\こんなサインが出たらやめ時!/
● しっぽをパタパタ、ピシッ
気持ちいいときは、ゆらーん、ゆらーん。パタパタ早くなって、ムチみたいにパーン!とたたくようなら嫌になってきているサイン。
● のびーっと伸びをする
伸びをするのは気持ちいいからなのですが、横になってお腹を出しているときにお腹をさわると猫キックが始まるかも…。
★ 猫は長時間じっとしているのが苦手。
短時間から始めて、嫌がるそぶりを見せたらすぐにやめてあげてください。
5.村田先生に聞いた猫が撫でられるのが苦手な3つのポイント
猫には撫でられてうれしいポイントと、咬みつくほど嫌なポイントがあります。愛猫とスムーズなコミュニケーションを図るために、苦手なポイントをおさえておきましょう。
- 口の中、耳の中、鼻、パット、肛門、陰部
- お腹
- 足
口の中、耳の中、鼻、パット、肛門、陰部
体毛で覆われていない部位は非常に敏感ですから、猫はさわられることを好まないでしょう。しかし、母猫は子猫を清潔に保つために陰部や肛門を含めて体中をなめ、子猫もこれを受け入れます。子猫のうちから体中をさわる習慣をつけておきましょう。練習をしておくと、大人になっても受け入れてくれる場合が多いです。
お腹
攻撃を受けると命に危険があるお腹は、猫がさわられるのを苦手とする部位のひとつです。なかには咬みつくほど嫌がる猫も。子猫のうちからさわる練習をしておきましょう。
足
足に傷を負うと獲物を捕まえたり、捕食者から逃げたりできなくなってしまいます。そのためとても敏感に。爪切りを嫌がる理由のひとつでもあります。子猫が遊び疲れて眠っているようなタイミングで、おだやかに体中をさわる習慣をつけると良いでしょう。さわっているうちに子猫が目覚めて咬んでくるようなら、そこでやめてあげてください。
6.村田先生に聞いた猫が喜ぶ抱っこのやり方
苦手な子が多い抱っこですが、うまくできれば愛猫を安心させてあげられる手段にもなります。そして何より、猫を抱っこするって癒やされます♪
- やりやすい抱っこの手順
- おやつを使って抱っこ大好きになろう
やりやすい抱っこの手順
1)手をそえる
猫が前に行かないように、前胸を軽く片手でおさえます。反対の手をやさしく胸の下へ。
2)持ちあげる
お尻の下を支えるように手を差し入れ、持ち上げます。
抱え方のポイントは3つ!
Point1:足の下に腕を通して、やさしく体を包みます。
Point2:足を掴まれるような感覚は苦手なので、避けてあげて。
Point3:お尻を支えてあげると、安心します。
おやつを使って抱っこ大好きになろう
おやつ好きなら、おやつに集中している間は、体をさわられたりしても気にしない子が多いよう。抱っこに慣れてもらうチャンスです。
大好きなおやつでひざの上に誘導します。
飼い主さんがイスに座っている状態で、おやつの香りをかがせて、だんだんひざの上へ…。
ひざの上で、おやつをあげます。
ひざの上に乗ってきたらおやつをあげます。おやつに集中している間に、体をさわって慣れさせてあげて。
成功!
繰り返して「抱っこ=いいこと」と覚えてくれれば大成功です。
<村田先生より>
抱っこは猫ちゃんから近づいてきたときなど、構ってほしそうなときがベストタイミング。眠っているときなどに無理にしようとすると、抱っこを嫌いになってしまいます。また、慣れていない子は時間と根気がいります。嫌がるようなら無理しないでくださいね。