今や社会問題にもなっている引きこもり問題。中でも20~30代の引きこもり人数が増加傾向にあります。もしかしたら、皆さんの中にも家族が引きこもりで困っている……という方もいるかもしれません。
今回は、実際に子供が引きこもりになってしまった家族の実態を紹介するとともに、どのようなサポートを受けられるのかをご紹介します。
我が子はなぜ引きこもりになった?
都内に住む50代のA子さんには、21歳の息子がいます。実はこの息子が、3年前から引きこもり状態に。きっかけは大学受験の失敗。自信があった志望校に落ちてしまったことから無気力になり、部屋に閉じこもりがちになりました。
最初のうちは近所のコンビニ等には出かけていましたが、月日が経つにつれだんだんと出かける回数が減り、今では部屋から一歩も出ることがなくなったそうです。
我が子の未来が心配…解決策は?
A子さんの一番の不安は、息子の将来。今はまだA子さんもご主人も元気に働いているので生活には困っていませんが、このままA子さん夫婦が年老いて働けなくなったらどうすればよいのか。
また、A子さん夫婦が亡くなって息子が1人になったとき、生活していけるのか……と考えると夜も眠れないそうです。
世の中にはA子さんのような悩みを抱えた人がたくさんいます。そんな人たちのために給付金や心の支援、職業支援など、さまざまなサポートがあるのです。
支援1:職業訓練受講給付金
引きこもりの人たちが就職するためには、職業スキルや対人コミュニケーション力を身につけるなど、さまざまなハードルを乗り越えなければいけません。
そこで、厚生労働省はハローワークが提供している職業訓練を受講するための、「職業訓練受講給付金」を支給しています。一定の要件を満たせば、職業訓練受講手当月額10万円のほか、寄宿手当や通所手当が支給されます。
支援2:ひきこもり地域支援センター
社会福祉士や臨床心理士など、専門知識を有した「ひきこもり支援コーディネーター」が、引きこもりの本人及び家族からの電話・来所相談に対応してくれます。また、家庭訪問も実施しており自立への支援を行っています。