岸田首相、218枚の“空白領収書”

 岸田政権の支持率が下がり続けている。共同通信が実施した世論調査では33.1%という数字になった。

 もはや政権崩壊といっても虚しいほど、岸田政権は泥沼だが、文春が追及しているのは、岸田自身の政治資金のインチキさである。

 先日、94枚に及ぶ「空白領収書」があると報じたが、それだけではないというのだ。

 文春は、情報公開請求で、2017年から2020年までの岸田首相の政治団体の領収書約850枚を手に入れたという。

 すると、宛名が空白のものや、但し書きが空白の領収書が、4年間で実に全体の4分の1、218枚も見つかったというのである。

 これでは、下の者に法に従ってやれといっても、いうことを聞くわけはない。

 政治資金規正法などを所管する総務相であった寺田稔が、自ら違反するという信じられないことをしでかすのは、この親にしてこの子ありである。

 悪いことはいわない。早く身を引いたほうがいいと思うな、岸田首相。

 今週の最後は、統一教会問題が飛び火して、日本最大の新興宗教団体・創価学会が揺れているという文春と新潮の記事。

 何度も書いているが、創価学会という宗教団体が、実質的に公明党という公の党を支配しているという現実がある以上、統一教会とは分けて、この組織の実態を明らかにする必要があるはずだ。

 今回の統一教会の被害者救済のための「宗教被害者救済新法」も、マインドコントロール下での高額寄付の禁止や、寄付金の上限規制が盛り込まれず、被害者弁護団からは、「ほとんど役に立たない」と酷評されているのも、公明党が「骨抜き」にしてしまったからだ。

 文春で政治部デスクは、こう語っている。

「十一月八日に行われた自公の党首会談では、公明党の山口那津男代表が岸田首相に『憲法上、拙速すぎるような法案にはしないでほしい』と、財産権をチラつかせて釘を刺していました。また、高木陽介政調会長も寄付金の上限規制について周囲に『数字で決められるものではない』と明確に反対していました」

 高木の、上限規制に反対する真意を書面で尋ねると、このような答えが返ってきたという。

「寄付額の上限規制を設ける場合、その基準となる個人の年収等を示すことを、寄付先である法人等から求められる可能性があることから、かえって悪用され、さらなる被害につながりかねない」

 だが、統一教会の例を見るまでもなく、宗教団体側は、信者を1対1で寄付を迫る場合、ほとんどが、その人間がどれくらいの収入や資産があるのかを知っている場合が多い。

 したがって、この反論は、説得力を持たないと思わざるを得ない。

 創価学会が一番嫌がるのは、公明党との上下関係ではないか。公明党の元議員は、文春でこう話している。

「我々は、創価学会会長のことを公明党の『総裁』と呼んでいました。公明党の代表は、創価学会全体の中では渉外部長のような立場に過ぎないのです。

 選挙にあたり、公明党の候補者を決める際には、池田名誉会長の静養先である軽井沢に創価学会の幹部たちが集まった。そこで、幹部の中から異議を唱える声が出れば不合格とする、厳正な審査が行われていました」

 何が厳正なものかと、私などは思うのだが、要は、公明党は創価学会の下にあるということだけは確かなようだ。

 だが、そうはいっても、与党として長い間やってくれば、それなりの力を持ってくる。

 昨今の公明党か、結党の平和を希求する党とはかけ離れた動きをすることが多い。もはや、創価学会とは違う、与党ボケした第二自民党になっているのではないか。

 そう思わざるを得ないことが多くなってきている。今回を機に、創価学会は国の平和と安寧を守る団体だということ、改憲は許さないということを、公に発表したらいい。

 私はそう思うのだが。(文中一部敬称略)