◆みんな、もっといい意味で“わがまま”でいい
大塚:なにより配慮すべきは、そこにいる子供の心情。今は親が離婚したら単独親権一択ですが、もし子供が望めば共同親権や3人以上の親権も可能にしてもいいのでは。逆に韓国では虐待親に子供が自ら「親子の縁」切りを可能にする法律も議論されている。
安冨:今は「進学、就職、結婚、出産、子育て」というライフコースが「ふつう」とされていますが、自分にとってなにが幸せな環境か、それぞれ自分で考えなくてはいけない。みんな、もっといい意味で“わがまま”でいい。
大塚:「みんながふつうであるべき」「家族は永遠であるべし」といった幻想から抜け出し、そのときどきで家族にとって最適な形を考えていけばいいですよね。
【安冨 歩(やすとみ あゆみ)氏】
東京大学教授、経済学者。京都大学経済学部卒業後、住友銀行勤務を経て、研究者の道へ。50歳から女性装を始める。著書に『ありのままの私』など
【大塚玲子氏】
ノンフィクション作家。主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者)」。著書『ルポ 定形外家族 わたしの家は「ふつう」じゃない』など
<取材・文/週刊SPA!編集部>