◆仕事で意見が対立したら“生理前のイライラ”扱い
佐藤さんも、このセクハラマネージャーからこんな暴言をはかれたとか。
「ある日会議でちょっとした口論になったんです。最終的には私の意見が通ったのですが、会議室を出るとき『佐藤さんの“月の周期”が分かってきたよ』と言われたんです。つまり、生理前だからイライラしていると。悔しくて、トイレで泣きました」
そのことを直属の上司に告げても、セクハラがまかり通っている会社では特に問題視されなかったことにも腹が立ったといいます。しかし、あることをきっかけに社内が一変したのです!
◆上場が決まって社内ムードが変わる中、社長に直訴
「うちの会社が、上場準備をすることになったんです。タイムカードや残業時間の管理、契約書の精査などコンプライアンス面で一気に厳しくなって、社内のセクハラも経営陣の中で問題になりました」
コンプライアンス遵守(じゅんしゅ)のムードに背中を押され、何とかマネージャーのセクハラを告発したいと考えた佐藤さん。
「社長とマネージャーと新卒数名で飲む機会があったので、その帰り道、みんなの前で『実は…』と涙ながらに訴えたんです。
マネージャーは『それは将来君が、誰かの上に立つときに感情的にならないように…君のために思って言ったんだよ』とか、言い訳してました。でも、社長は一気に酔いが冷めた顔で『それはよくないね』とばっさり。
それから1か月後の人事異動で、そのマネージャーは経営企画室から、書類の不備等をチェックする部署に左遷されました」
佐藤さんは、最後にこう振り返ります。
「上場ってすごいなと感じました。来年はまた女性の新卒社員が入るので、しっかりとした組織になって欲しいです」
会社が外部にジャッジされる上場をきっかけに、声をあげた彼女。賢明なタイミングでした。
―私達の身近な「セクハラ」 ―
<TEXT/女子SPA!編集部 イラスト/鈴木詩子>
【女子SPA!編集部】
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