◆狂気に満ちたオダジョーをもっとください

 第5話では、アトム玩具の躍進に多少動揺を見せていたものの、ラストではSAGASがアトム玩具の買収に成功。困惑と激怒のはざまでパニックになる那由他たちをよそに、高笑いをきめる興津。その時の狂気に満ちた表情に一気に心をわしづかみされました。

 ドラマの序盤までは興津の思い通りにことが進んでおり、余裕の構えを崩していませんでした。しかしその後、アトム玩具の逆襲が始まったかと思えば、今度は思わぬ方向から興津が追い詰められる展開に。第7話の“ゴミ置き場に倒れ込むオダジョー”も素晴らしかった。毎週、興津もといオダギリがどのような表情を見せるのか、どのように取り乱すのかが楽しみでなりません。

 ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)では松たか子を相手に声を荒げて机をバンバン叩くシーンがありましたが、個人的にはそれくらい、いやそれ以上の狂気を見せてほしいものです。

◆渋い顔なのにポンコツ刑事というギャップよ!

 次は『真相は耳の中』(テレビ東京系)に出演する伊原剛志。伊原演じる今井譲治は検挙率が圧倒的に低いポンコツ刑事で、“逃がしの譲治”という不名誉なあだ名をつけられるほど。そんな譲治の捜査を推理オタクの娘・今井芽依(筒井あやめ)がポッドキャストを通してサポートする、というミステリードラマです。

 本作は、事件が起きる、困り果てる譲治、芽依がやっているポッドキャストに偽名で事件の詳細を送る、芽依の推理を自分の推理のように譲治が披露して解決する、という斬新な流れ。1話完結で見やすく、設定も秀逸ではありますが、本作の見どころはポンコツ刑事を演じる伊原の可愛らしさです。