『silent』(フジテレビ系)の目黒蓮や『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)の清原果耶など、秋ドラマでは若い役者の好演が目立ちます。ただ、新しい風が吹きゆく中、キャリアのある役者も負けていません。とりわけ、40歳を超えた男性俳優の“イケおじ”感あふれる演技に胸を打たれている人も少なくないのではないでしょうか。秋ドラマのイケおじについてまとめます。
※以下、ドラマ『アトムの童(こ)』と『真相は耳の中』のネタバレを含みます。
◆色気が止まらない“悪役”オダギリジョー
まずは『アトムの童(こ)』(TBS系)のオダギリジョー。倒産危機の老舗玩具メーカー・アトム玩具に所属する安積那由他(山﨑賢人)や菅生隼人(松下洸平)らが、ゲーム業界で再起を目指すお話。そんな那由他の前に立ちはだかるのが、ゲーム業界のトップ企業・SAGASの社長であり、オダギリ演じる興津晃彦。
日曜劇場らしい“弱小企業が大企業に挑む”という構成ですが、『アトムの童』は一味違います。
『下町ロケット』など日曜劇場で主人公が対峙する大企業の長といえば、香川照之のイメージが強いです。実際、本作でも興津は香川が演じる予定でしたが、香川のスキャンダル発覚によってオダギリが代役を務めることになりました。
香川のようにパワーでねじ伏せようとはせず、オダギリがクールかつネチネチとアトム玩具を追い詰める展開はとても新鮮。なにより、そのいやらしさと色気が相まって、ストーリーが進むごとに魅力ある敵役になっていきます。