「気になるしごと」で活躍している人が登場するインタビューシリーズです。今回は「地方在住・東京勤務」を実現しているMAPの横山さんに、フルリモートの仕事の探し方や、キャリアアップの考え方についてお聞きします。

地方在住、東京勤務」フルリモートでキャリアアップする方法。

Profile
株式会社MAP 横山恵利さん

北海道在住。新卒で入社した証券会社を夫の転勤がきっかけに退職。その後フリーランスでライティングやオンライン秘書業務に携わったのち、2021年にMAPに入社。現在は二児の子育てと両立しながらフルリモートでインサイドセールスを担当している。

結婚・出産後も、転居しても、キャリアを継続したかった

大学卒業後、証券会社に営業職で入社しました。担当業務はテレアポや飛び込み訪問による新規顧客の開拓や、金融商品の提案。相場の動きや新しい金融商品の勉強に必死に取り組む毎日でした。

金融会社の営業は、精神的にも肉体的にもかなりハードな仕事。その分、やりがいも大きかったのですが、結婚後に家事や育児と両立できるか?と考えると、不安な面もありました。当時はまだ産育休制度の整備が進んでいなかったこともあり、出産後に営業職としてキャリアを継続している女性社員はほとんどいませんでした。

その後25歳で結婚。転勤族の夫の赴任先に転居するため退職しましたが、転職して正社員でのキャリアを継続したい!と強く感じたことを覚えています。

転居後は「家庭と両立可能な仕事」を軸に仕事を探し、法律事務所に入社。約4年間秘書業務を担当しました。当初希望していた通り、家庭との両立もうまくいっていたのですが、第一子妊娠で産休取得中にまたもや夫の転勤が決まり、そのまま退職することに。

新しい場所で再就職できたとしても、今後も夫の転勤がある度に転職を繰り返さなくてはいけなくなるー。そう考えて、2016年頃からは居住地の影響をうけずに在宅でできる仕事を探し始めました。

とはいえ、私にはデザインやプログラミングなどの専門性の高いスキルはありません。まずはアンケート回答やブログ記事執筆など、経験がなくても受注可能な仕事から始めて、徐々にできることを増やしていきました。

フリーランスで働くメリットとデメリット

「地方在住、東京勤務」フルリモートでキャリアアップする方法。
(画像=『転職の地図』より引用)

翌年第二子を出産してからは、本格的に在宅フリーランスとしての活動をスタート。クラウドソーシングサイトやSNSを駆使して、ライティングやリサーチの仕事を受注していました。

駆け出しのフリーランスが在宅の仕事で得られる収入は、正社員時代と比較すれば微々たるもの。それでも自分自身の力で収入を得られる喜びは大きく、働くことへの手応えを感じていました。

ただ、フリーランスとして活動するには、毎回自力で案件を開拓し、優良なクライアントを見極め、都度条件交渉し、請求書発行などの経理業務までこなさなければいけません。雇用契約がなく、毎月安定した収入が得られる保証もない働き方で、不安は常につきまといました。

そこで、たまたま縁があったオンライン秘書サービスの会社に登録することに。エージェントから紹介されるクライアントの仕事を月数本受け持つことで、徐々に収入が安定していきました。

在宅での仕事を始めた30歳の頃から「35歳までにはこの先の働き方の基盤を作りたい」という想いを強く持っていました。仕事がうまく受注できないときには自分の市場価値がどんどん下がっていくような焦りを感じていたので、安定して仕事を得られるエージェントの活用はいい解決策だったと思っています。

リモートワークは「ラクな働き方」じゃない

「仕事中に家事もできるなんてうらやましい」
「子どもの学校行事や習い事のスケジュールが調整しやすいでしょう」

リモートワークはメリットばかりが注目されがちですが、もちろんいいことばかりではありません。

自宅で働くということは、家庭と仕事の境目がないということ。仕事に集中したくても家の雑事に手を取られてしまうこともあるし、子どもたちからすると「家にいるのになぜ構ってくれないの?」という不満もあるでしょう。

リモートで仕事をするにあたって、私が最も大切にしているのは時間の管理です。例えば「今日は上の子の習い事の送迎があるから、16時までにタスクを全部片づける!」「子どもの見送りに支障がでないように、朝イチのミーティングの準備は前日に済ませておこう」など、仕事と家事や子どものことが混同しないよう、スケジュール管理を徹底しています。

「地方在住、東京勤務」フルリモートでキャリアアップする方法。
(画像=平日のスケジュール管理はフルリモートワークの最重要課題。、『転職の地図』より引用)

また、コミュニケーションへの配慮も大切なポイントです。

仕事では社内外の人とチャットや電話で頻繁に連絡が取れるとはいえ、相手の顔や今置かれている状況が見えない分、把握できない情報も。体調が悪い人がいるとか、トラブル対応で多忙にしているといったケースもあるので、常に相手の状況を想像しながらのコミュニケーションを心掛けています。

コミュニケーションに気を配るべきは、家庭内でも同じこと。現在は夫が単身赴任中でほぼワンオペ状態なこともあり、仕事が忙しくても子どもとのコミュニケーションを蔑ろにしないよう、常に気を付けています。

「地方在住、東京勤務」フルリモートでキャリアアップする方法。
(画像=子どもたちが協力的なので助かっています。、『転職の地図』より引用)