「住宅ローンの金利が上がりそう」「インフレで住宅価格が上昇しそう」などと考えて、なかなか家の購入に踏み切れないという人もいるのではないでしょうか。
家を買うタイミングはいつが「正解」なのでしょうか?この「正解」の考え方についてファイナンシャル・プランナーの金子賢司さんに話を聞きました。
家を買うタイミングはいつがいい?
住宅金融支援機構が毎年行なっている「住宅ローン利用予定者調査」の2022年度版によると、住宅取得動機として多いのは「結婚・出産」「子どもや家族のため」「老後の安心のため」といったライフステージの変化によるもので、毎年ほぼ同じ傾向です。
同調査から、実際購入に踏み切った人の中で、「住宅購入費用の安さ」あるいは「住宅ローンの金利の低さ」が購入動機になっている人は少ないことがわかります。
つまり、家の買い時は、ライフステージの変化にともなって家族構成に変化が生じたときがベストタイミングと感じている人が多いと言えるでしょう。
必要な時期に、いかに安心して購入するかがポイント
年齢や収入にもよりますが、住宅購入の必要性を感じたら、なるべく購入した方が有利です。
高齢になると収入の大半が公的年金になるのが一般的であり、住宅ローン返済の不安がより高まるからです。また、健康上の問題で団信に加入できず、住宅ローンを組めない可能性もあります。
しかし、決して安い買い物ではないため、すぐに購入に踏み切るのは難しいと感じる人もいるでしょう。そこでおすすめしたいのは、家を購入する意欲が高まったら、住宅購入を踏まえたライフプラン作りになるべく早く取りかかることです。
老後の貯蓄も考えよう
住宅ローンの返済計画は、これまで家賃として支払っていた住居費が住宅ローンの返済額とほぼ同じになれば大丈夫というわけではありません。今の家賃でずっと過ごした結果、「老後に十分な貯蓄が残るか?」というところまでシミュレーションする必要があります。
老後に十分な貯蓄が残らない家計にある人が、家賃と同等の住宅ローンを組んでも結果が変わるわけではありません。家を買えば、固定資産税や修繕費などもかかるため、状況はもっと悪化する可能性さえあるでしょう。