音楽、美術、映画、漫画、アニメなど世の中にはさまざまなカルチャーがあります。なかには大学の講義では学ぶことがあまりないようなジャンルもありますよね?そんなさまざまな世界について教養を深めるためには書籍を読むのが良い手段です。そこで今回は大学生のうちに読んでおきたい4冊のカルチャー本を紹介します。

1『東京大学のアルバート・アイラー-東大ジャズ講義録・歴史編』

ジャズ・ミュージシャンの菊地成孔(きくちなるよし)と大谷能生(おおたによしお)が、2004年に東京大学教養学部で行った講義を収録した書籍が『東京大学のアルバート・アイラー-東大ジャズ講義録・歴史編』です。ジャズの歴史に関する内容ですが、音楽の専門知識を持たない聴講生に向けて授業を行っているため、ジャズをまったく知らない人でも楽しんで読むことができます。

音楽の楽理分析というと、ミュージシャンをはじめとした専門家だけに分かる話だと思う人も多いかもしれません。しかしこの本では巧みな話術と鮮やかな比喩を用いることによって、専門外の人でも楽理について理解できるようになっているのです。音楽の歴史をたどりつつ、時代背景についても幅広く解説している点も理解しやすいポイントだと言えるでしょう。

東京大学の講義を1冊の本で味わうことができることは魅力的ですね!また本書を通読すると普段から大学で受けている他の分野の講義に関する知識も補強してくれるでしょう。

【商品情報】
書籍名:東京大学のアルバート・アイラー-東大ジャズ講義録・歴史編
著者:菊地成孔、大谷能生
出版:メディア総合研究所
価格:1,600円(税別)

2『ゴシック・カルチャー入門』

ファッションや音楽、文学、漫画などで「ゴス」という言葉を聞いたことはないでしょうか。ヴィジュアル系バンドや「ゴスロリ(ゴシック&ロリータ)」の文化であれば知っている人もいるかもしれません。そんなサブカルチャーの1ジャンルとして知られている「ゴシック」について入門者向けに書かれた本が『ゴシック・カルチャー入門』です。

もともと「ゴート人の」という意味を持つ「ゴシック」というワードですが、現代では幻想的・怪奇的・退廃的雰囲気を持つカルチャーを指して用いられています。映画・音楽ライターとしても活躍する著者の後藤護は本書で小説、映画、音楽、ファッション、美術など多岐にわたるジャンルについてゴシックをキーワードに読み解いていきます。

なかには一般的な価値観からすると醜く感じるものを肯定する箇所も……しかし大学生活において、ときには失敗したり後悔したりすることもあるものです。そんなときに本書を読み進めると悪趣味と言われるものの魅力を感じ取り自分の醜さに対してもポジティブに捉えられるようになるかもしれません。

【商品情報】
書籍名:ゴシック・カルチャー入門
著者:後藤護
出版:Pヴァイン
価格:2,700円(税別)

3『キルヒャーの世界図鑑』

17世紀に活躍したドイツ出身のアタナシウス・キルヒャーは、“奇想の科学者”として知られる人物です。中国やエジプトの研究をはじめ地質学や医学、音楽理論、宇宙論など、幅広い分野で誰にも真似できないような偉業を残してきました。そんな独創的な学者の業績について紹介した本がこの『キルヒャーの世界図鑑』です。

キルヒャーの仕事のなかには、現代からすると科学的に間違っているものも多々あります。しかし磁力で動く時計を発明したり猫オルガンと呼ばれる奇妙な楽器を紹介したりするなど常人には考えつかないような豊かな発想力に触れられることが魅力です。

高校から大学に進学した直後は、受験から解放され新鮮な生活に気分が高揚しているかもしれません。しかし次第にルーティン化した日常を過ごし、退屈してしまう人もいるのではないでしょうか。そんなときまるで別世界を見ているかのようなキルヒャーの足跡に触れると日常生活にも刺激が満ちていることをあらためて発見できるかもしれませんよ!

【商品情報】
書籍名:キルヒャーの世界図鑑
著者:ジョスリン・ゴドウィン
出版:工作舎
価格:2,900円(税別)