今では『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)は冬の恒例行事になりました。 11/30(水)の準決勝、12/18(日)の決勝を前に、誰が勝ち進んだのか、誰が敗退したのかなど、予選の段階から動向をチェックしている人はお笑いファンに限らず多いです。

『M-1グランプリ2022』ロゴ
『M-1グランプリ2022』ロゴ(画像はリリースより)
 特に今年は見取り図、モグライダー、ランジャタイ、トム・ブラウンなど人気も実力もあるコンビが準決勝に進むことさえかなわないほどの大荒れ。例年以上にSNS上にはいろいろな声が飛び交っています。

 実績のあるコンビであれば準決勝までは進むことが珍しくなかったのですが、今年はなぜ準々決勝で次々と姿を消してしまったのでしょう。その理由を勝手に考えていきたいと思います。

◆「面白い」は大前提? ネタがウケても敗退する理由

 M-1のレベルは年を追うごとに高くなっています。3回戦に進出した芸人のネタはM-1の公式YouTubeで見られますが、3回戦敗者ネタを見ても「なぜこれで落ちたのか?」と思うことも少なくありません。つまりは“面白い”は大前提であり、そこだけでは差をつけることが難しくなり、どれだけウケても先に進みにくくなった可能性が伺えます。

 その理由として、前年のファイナリスト・ももが3回戦で負けたことに触れたいです。お互いの容姿をイジりながら畳みかけるしゃべくり漫才で、昨年のM-1でも大きなインパクトを残しました。

 ただ、今年の3回戦のネタを見る限りは、前年ではあまり見せなかった舞台を広く使って動きを使う場面もありましたが、お互いの容姿をイジり合うことは変わらず。もちろん、ウケてはいましたが、「昨年と同じ」と思われてしまったことが大きいのではないでしょうか。

 同様にランジャタイやモグライダーも準々決勝のネタを見ると、良さを十分に発揮した面白い漫才ではありますが、真新しさは感じられません。

 ちなみに、今年準決勝に進出した28組(27組+GYAO!ワイルドカード枠1組)のうち11組が初進出でした。3割以上が準決勝に初めて進出したことを考えると、勝ち進むためには面白さはもちろん、「こんなネタ見たことない」と思わせることの重要性が増したように感じます。