◆こんな時にかぎって子どもが突然発熱
夫の実家で一人になった美紗さん。次第に義父母、夫の行動が腹立たしく思えてきたといいます。
「孫を置いてまで外食に出かけるのであれば、何のために苦労して帰省したのかと思いました。夫も、なんでおすしの出前を取ろうとかいう提案をしないのか本当に腹が立ちました」
双子にミルクをあげながら、悔しさと虚しさで胸がいっぱいだったといいます。するとしばらくした頃、双子の長男が突然泣き出したそうです。抱き上げてよく見てみると顔中に湿疹が出ており、少し熱もありました。すぐに夫に電話をかけるも、全く通じなかったといいます。
仕方なくタクシーを呼び、救急外来へと向かいました。診察の結果は、軽いアレルギー症状ということで、点滴を打って様子を見ることに。小一時間して子どもの症状もだいぶ落ち着きを取り戻し、帰りのタクシーを呼ぶ前に念のため夫に電話した美紗さん。でも、その時も電話はつながらなかったそうです。
◆とことん残念だった帰省
実家に戻るとまだ誰も帰ってきていませんでした。しばらく待っていると酔っぱらった三人が帰って来て、あきれ果てた美紗さんは、子どもと一緒に先に寝ることにしました。
翌朝、寝起きの夫に昨日の一部始終を話し、予定を変更して午前中に家に帰ることになったそうです。夫は、昨夜はお店が地下にあり電話に気づかなかったと平謝りしてきたといいます。幼い子どもを二人も連れてわざわざ帰省したはずがこんな結果になり、悔し涙の美紗さん。
「もともと少し気配りができない夫だったのですが、久々の帰省で両親に会えたことが嬉しかったのかなんなのか、思いやりのかけらもなかったのがとっても残念なんです。だから“今度の帰省はあなた一人でお願いしますね”と言ってやりました」
―シリーズ「年末年始・帰省のトホホ」―
<文/大杉沙樹>
【大杉沙樹】
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。