イメージは「担当者の人格で決まる」という声も

40代に入ると、中古住宅の購入などを検討する層も増える。1人暮らしをする子供が部屋を探すときにどんな対応を受けたのかでも、大きくイメージを左右しているようだ。実際の声としては「中古住宅など購入の際には、難しい法律などを知らないことが多いし、心強い安心感がある」「子供が賃貸アパートを探すときも非常にお世話になりました」などの感想を書いた人も多かったようだ。

改装などのニーズも増えてくる50代においては、「昔の怖そうなイメージから一変していた」などと、不動産業界の印象が改善傾向にあることを印象づける回答をする人もいた。60代では「社名ではなく、担当者の人格、人間性で決まる」「規制等が厳しくなっており、一昔前のような悪徳業者が排除されている」などの声が寄せられた。

このように、不動産店を訪れる消費者・顧客側にとっては、年代にあったサービス・対応をしてくれる不動産店に人気が集まるようだ。2017年の調査では2016年よりも全体的なイメージは若干悪化しているものの、2015年からは大きく改善しており、不動産業界全体ではサービスの質を含めた対応が向上していると言えそうだ。

「態度が悪い」「しつこい」などでイメージ悪化

続いて、不動産店に持つイメージについて「わるい」「ややわるい」と答えた人の理由やトラブル事例について、年代別に紹介しよう。不動産店で店側と顧客側でトラブルが起きた場合、賃貸契約後や売買仲介契約後などは特にトラブル解消まで長引くことが多い。そのため、トラブルが一度発生すると、不動産店に対する印象がかなり悪くなる傾向もある。

20代では「態度が悪い」「説明がわかりづらい」などの声が多かった。実際、不動産業者の対応をめぐっては、説明がわかりづらく顧客側が契約内容をきちんと理解できないまま賃貸契約を結び、あとから住宅で起きたトラブルの補償などについて、不動産店側ともめるケースも多い。

30代では「セールス訪問してきた人が非常にしつこかった」「勉強不足の業者が多いと感じた」「売買しただけで結構な手数料をとっている」などの感想を持つ人の声が例として挙げられている。一般的なトラブル事例としては、土地や建物の売買契約について担当者があまり知識を有しておらず、あいまいな回答を受けてその場で言い争いになった、などのケースも存在する。

所帯を既に持っている層が多い40代にとっても、トラブルに発展しかねない不動産店の対応を疑問視する声が挙がった。例えば「決定を急かすような態度が見受けられる」「横柄な態度が多い」などだ。30代の声の一つとして挙げられていた知識不足を指摘する意見とも似た「法令制限などを理解できるように説明する意識が低い」などの声もあった。

高齢世代は「地上げのイメージ」「体質だ」など

50代では、過去の不動産店とのやり取りやトラブルが悪いイメージとして依然として残っている人が一定数いるようだ。「地上げとかのイメージがある」「一方的に売りつけようとする営業に何度か会ったことがある」などだ。「さわやかなイメージは、まるで無い」などの声もあった。

会社を退職して年金生活に入っている人もいる60代以上では、「売りっぱなしの傾向がある」「(対応の悪さは)不動産業界の体質と思う」「建築方法、素材、躯体の内容等に詳しい人はそんなに見かけない」などの声が挙がった。契約後のトラブルに巻き込まれた人の不動産業界への信頼回復は、簡単ではないとも言える。

ここまで年代別に消費者や顧客の声を紹介したが、まとめるとアンケートで「わるい」「ややわるい」と答えた人においては、態度の悪さや手数料の高さ、情報の伝え方、知識不足などを挙げる声が多いという結果になった。

アンケートでは、不動産店や宅建業者に期待することについても質問している。最も多かったのが、 「接客応対や説明が丁寧にしてもらえること」で全体の37.7%がそう回答した。 「契約成立に向けた巧みな交渉」が25.0%、「住宅売買・購入時の的確なアドバイス」が20.0%と続いている。