さまざまなハラスメントの中でも、女性にとって特に嫌なのが「セクハラ」。コンプライアンス遵守が叫ばれる中、徐々に減ってきていますが、ほんの数年前はもっと被害に遭う女性も多かったかもしれません…。今回は実録シリーズ「私達の身近な「セクハラ」」から、過去の人気記事を再録します(初公開2018年1月12日、情報は掲載当時のものです)。

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 みなさんの職場でセクハラやパワハラで、下の人達から嫌われている人にかぎって、社長・役員などの上層部ウケがいいってことありませんか。そういう場合、なかなか被害を言い出しにくいのが現状ですよね。

社内
 今回、そんな上司からセクハラ被害にあった女性に詳しく話を聞いてみました。

◆恋人との関係をしつこく聞いてくる上司

「入社して3か月くらいたったころ、彼氏と手をつないで歩いていたところを直属の上司であるT課長(38歳)に見られてしまったんです。それからなんです、露骨なセクハラが始まったのは」と訴えるのは、入社1年目の吉岡佳苗さん(23歳・仮名・専門商社)。

 T課長は翌日出社した彼女にさっそく「昨日、一緒にいたのは彼氏?」「いつから付き合ってるの?」などと矢継ぎ早に質問。職場で恋愛についてしつこくたずねるのは立派なセクハラなのですが、「プライベートなことなので……」と彼女が濁してもネチネチと聞いてきたそうです。

「その場では先輩の女性社員が間に入ってくれて助かりましたけど、以来こんなことが日常的に起きるようになりました。『課長、それセクハラですよ』とたしなめるように言ってもヘラヘラされるだけで効果はなし。

それ以上のことをするわけでもなかったですし、立場の弱い新人だったからきっと舐めていたんでしょうね」

セクハラ営業マン
 しかも、T課長の行為は徐々にエスカレート。デスクで作業していると「どうだ?」と背後から両肩をつかまれたり、トイレから出たところ、偶然を装って声を掛けてくるようになったといいます。

「でも、T課長は専務や部長などの上から可愛がられていて、営業マンとしても社内1位の成績を取るなど優秀でした。それで調子に乗ったのか、以前からいろんな女子社員にセクハラ行為を働いていて、私が入社する前にはそれが原因で辞めたコも何人かいたそうです」