気になるけれどなかなか聞けないのが他人の年収です。日本全国で働く20代の男女はいったい、どのくらい稼いでいるのでしょうか?厚生労働省が毎年発表している、全国4万を超える民間企業の平均月給やボーナス支給額を調べた賃金構造基本統計調査があります。2019年(令和元年度)の最新データをもとに、さまざまな職種の20代の平均年収を比べてみました(企業規模10人以上のデータで比較。年収は「所定内給与額」×12ヵ月分と「年間賞与その他特別給与額」を足して算出)。
男女ともに経験を積むほど年収アップにつながる!システムエンジニア
最初に取り上げるのは賃金構造基本統計調査で発表されている129の職種のうち、安定して求人のあるシステムエンジニア。クライアントにヒアリングし、その要求に合った仕様のシステム開発を行う仕事がシステムエンジニアで、システム設計などの業務を担当します。
所定内給与額とは、就業規則などによりあらかじめ決められた「決まって支給する現金給与額」から、時間外勤務手当などの超過労働給与額を除いた、大まかな1ヵ月分の給料の額です。これには家族手当や住宅手当などが含まれています。
「年間賞与その他特別給与額」とは、いわゆるボーナスのことです。システムエンジニアを見てみると、経験年数が上がるにつれて、ボーナスの額が大きく増えています。
30~34歳、経験年数10~14年の男性の場合は530万900円で、同条件の女性の場合は503万4,100円になります。男女ともに経験を積むほど年収に反映される仕事と考えられそうです。
男女差が少ない福祉・教育業界の2つの仕事。保育士と高等学校教員
続いて取り上げるのは私たちも接したことのある身近な職業、保育士と高等学校教員を見てみましょう。賃金構造基本統計調査では調査対象が民間企業のため、どちらも私立のデータになっています。
教育に関わる2つの仕事をピックアップしてみました。年々、男性の保育士も珍しくなくなっていますが、2019年度のデータでは、20~24歳・経験年数0年のいわゆる新卒の男性保育士は1,610人です。
一方で女性は1万3,760人とまだまだ人数のうえでは圧倒的に多くなっています。2つのデータを見比べると、保育士も高等学校教員も、年収に男女の差があまりない仕事だと言えそうです。