◆日本女性の美徳は心の距離感と辛抱強さ

映画『夜明けの詩』より
映画『夜明けの詩』より
――最後に、女子SPA!の読者を代表してお聞きしますが、ロマンス職人の異名を持つヨン・ウジンさんにとって、日本の女性はどのように映っていますか?

ヨン・ウジン:これは凄く難しい質問ですね(笑)。(少し考えて…)僕はそれほどおしゃべりでもないですし、声が大きいわけではなく、どちらかというと、『夜明けの詩』の主人公であるチャンソクのような静かな性格なんです。日本の女性は、そんな寡黙なタイプでも、辛抱強く、ちゃんと話を聞いてくれる印象があります。相手の気持ちを尊重するというか、見えない線があって、それ以上は越えて来ない。その謙虚さが素敵だなと個人的には思っています。

――付き合いが深くなればまた違うかもしれませんが、確かに、「程よい距離感を保つ」という印象はあるかもしれませんね。さすがはロマンス職人、観るべきところが違います。

ヨン・ウジン:(キム・ジョングァン監督と爆笑しながら)いやぁ、その表現、実は凄く恥ずかしいんです。

――そうですか? ロマンス職人…ヨン・ウジンさんにピッタリだと思いますよ!

ヨン・ウジン:恋愛に関しては、僕自身も作品を通して学んでいる身なんですが、ただこの年(現在38歳)になって、まだメロドラマやロマンチックコメディーができるということに対しては、一人の俳優としてありがたいことだと思っています。もちろん、年をとることによって恋愛感情も変わってくると思いますが、オファーがある限り、そういった変化も採り入れながら表現していきたいとは思っています。あと10年は頑張りたいですね(笑)。

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 今回はリモートでのインタビューとなったが、画面越しながらも、その人柄の良さがヒシヒシと伝わってくる真摯な二人。キム・ジョングァン監督が作り出す繊細で美しい映像世界の中で、ヨン・ウジンがどんな姿を魅せてくれるのだろうか。イ・ジウン(IU)とのコラボレーションも楽しみな映画『夜明けの詩』が、この秋、日本をロマンス色に染め上げる。

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<取材・文:坂田正樹>