企業や有名人などの、「相応の税金を納めていないのでは?」という税金トラブルのニュースが流れることがありますね。「申告漏れ」などという言葉を目にしますが、これは、納めるべき税金の額を少なく申告した場合のことを指します。

納税は、憲法で義務づけられていますので、悪意はなかったとしても、所定の要件を満たしていない場合には罰則が科せられることになっているのです。申告漏れしたときの追徴課税には、どのような種類があるのか、解説します。

申告書を提出しなければならないのはどんな人?

国に納める税金は、納税者が税務署へ申告を行い、それによって確定した税額を自分で納付することになっています。これを「申告納税制度」といいます。

申告書は、事業者だけでなく、給与所得やそのほかの所得がある方で一定の要件を満たす方も提出しなければなりません。

主な対象者は以下になります。

  1. 給与所得がある方で、年間収入金額が2,000万円を超える方
  2. 2ヵ所以上の会社から給与を受けている方で、一定の条件を満たす場合
  3. 本業の給与以外の所得が20万円を超える方
  4. 公的年金、退職所得のある方で、一定の要件を満たす場合
  5. 個人事業主
  6. 相続や遺贈などにより財産を所得した方で、合計額が基礎控除額を超える場合
  7. 個人から贈与により財産を取得した方で、一定の要件を満たす場合
  8. 過去10年以内に5年以上日本に住所のある方で、その年の末日において5,000万円を超える国外財産を所有している場合
  9. 法人

追徴課税はペナルティーが加算されることがある

税金の申告・納付などの期限は、それぞれの税法により定められています。

申告書を提出したあと、税額を多く申告していた場合は「更正の請求」、少なく申告していた場合は「修正申告」を行って内容を訂正することができます。「修正申告」は、いつでもできますが、国税局や税務署から調査の通知を受けたり、正しい納税額を指摘されたあとで納付したりするときは、本来納めるべき税金の残額だけでなく、加算税がかかる場合があります。

加算税には次の4種類があります。

・過少申告加算税
正当な理由がなく、税金を少なく申告して税務署などから調査の通知があった場合に加算されます。通知前に自主的な修正申告を行った場合には加算されません。

・無申告加算税
正当な理由がなく、一定の申告期限内に申告しなかった場合に加算されます。

・不納付加算税
正当な理由がなく、源泉徴収して、納付しなければならない税額を、一定の納付期限内に納付しない場合に加算されます。

・重加算税
過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税が課される場合で、税務署が悪質だと認識した場合に課されます。

また、納期限から納付する日までの日数に応じた延滞税、利子税を併せて納付しなければならない場合があります。