投資家の能力は金額では測れないという“ゼミの教え”

(KENさんにとって大学時代の“ゼミの教え”は今も生かされているという)

──今までで一番「投資をやっていて良かった」と感じた瞬間を教えてください。

KEN:投資と直接関係するわけではないんですが……、僕が大学4年のときにサークルに入ってくれた1年生の後輩がいるんですね。その後輩は北海道出身なんですけれど、僕が大学3年のときにコンテストで優勝したのを見て、うちの大学に入ってサークルに来てくれたんです。それを知ったときとてもうれしくて、投資をやっていて良かったなあと思いました。

──今まで投資を続けてきて一番大きく増えた金額はいくらですか?

KEN:一番増えた金額は公表していないんです。というのもちゃんと理由があって、金額を公表してしまうと壁を作ってしまうことがあるんですよね。

もちろん公表している億トレーダーの方もいらっしゃいますし、それはそれでいいと思いますが、僕は公表しないようにしています。それは大学時代にゼミで教わったことでもあるんです。

──“ゼミの教え”が今の活動にも生かされているんですね。

KEN:はい。投資でいくら儲けたかを公表してしまうと、額が大きくても小さくても、色眼鏡で見られてしまう風潮が日本にはあると思うんです。それに僕は金額が投資家のレベルだとは思っていないんですね。

投資って、能力が同じ人でも運と時期によってパフォーマンスが大きく変わるんです。それをひとくくりに金額で比較してしまうと、魅力的な能力がある人の話を聞きそびれてしまうことがあると思うんです。自分よりも稼いでいる人の話をありがたく聞くだけになってしまいますよね。

── 金額で投資家の能力を判断しないようにしていると?

KEN:例えば大学時代、僕より1つ上の先輩が、実は10億円くらい稼いでいた人だったんですけれど、一切公表していなかったんですね。そのため僕ら後輩も気兼ねなく情報交換ができました。

もし金額を公表していたら、「なんで億トレーダーに自分ごときがアドバイスしないといけないんだろう?」みたいになるじゃないですか。でも投資では、ごく小さな情報が重要な価値を持つこともあるんです。だから、そういう情報交換ができるような信頼関係を築くことが大事だと思います。

華々しい活躍の裏にある努力

大学時代から華々しく活躍してきたKENさんですが、その裏には周囲の理解を得るために重ねてきたさまざまな努力がありました。KENさんの活躍を見て投資サークルへの入会を決めたという新入生のエピソードからは、そうした努力が実を結んだことがうかがえます。

ではそんなKENさんは、どのような経緯でYouTuberとしてデビューすることになったのでしょうか?また大学時代に投資を始めることのメリットとは?後編では、現在のKENさんの取り組みにフォーカスを当ててお話をおうかがいします。

後編はこちら。

【KEN プロフィール】
株式会社Zeppy所属。個人投資家。学生時代から投資を始め、学内に投資研究会サークル「KISHU」を設立。第9回名証株式投資コンテスト個人の部や2019年5月株1グランプリなど、複数のコンテストで優勝。YouTubeチャンネル「Zeppy投資ちゃんねる」「KEN投資チャンネル」のほかTwitterアカウント、イベント登壇や新聞連載などを通じて投資の魅力を発信している。

提供・UpU

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