少子高齢化により、年金だけで老後を過ごすのが難しい時代を迎えています。給料が上がらないのに物価は上がる中、将来に向けてお金を貯めるにはどうすればよいのでしょうか。

老後破産を避けるには、間違ったお金の使い方をしないことが大切です。そこでファイナンシャル・プランナー(FP)の大西勝士さんに、ダメなお金の使い方について語っていただきました。

配偶者の収入や貯金を知らない

結婚している人は、配偶者の収入や貯金を知っていますか。共働き世帯は夫婦それぞれに収入があるため自由に使えるお金が多く、浪費しやすい傾向にあります。いざ老後を迎えてみると、貯金がないどころか借金があったというケースも珍しくありません。

「妻(夫)は貯金しているはず」と思い込み、お互いの収入や貯金を把握していない夫婦は老後破産のリスクが高くなります。今のうちに夫婦でお金について話し合い、一緒に家計管理を行うことが大切です。

教育費にお金をかけすぎている

子どもの将来のために、「教育にはお金を惜しまない」と考えている親は多いかもしれません。しかし、教育費にお金をかけすぎると、自分たちの老後資金を準備できなくなります。老後破産を回避したいなら、教育費にも上限を設けることが大切です。

教育費にたくさんお金をかけても、将来子どもが幸せに過ごせるとは限りません。また、老後資金を貯められなければ、子どもに金銭的な負担をかけることになる恐れもあります。

「なるべく公立に進学してもらう」「塾や習い事は必要なものに絞る」など、子どもと話し合ったうえで、教育費を節約することを検討しましょう。

多額の住宅ローンが残っている

多額の住宅ローンが残っていて定年後も返済が続く状態ならば、老後破産のリスクが高まります。年金収入だけでローン返済を続けると、生活費が足りずに貯金がなくなるかもしれません。退職金でローンを完済する予定ならば、退職金を老後の生活費に使えなくなってしまいます。

老後破産を防ぐには、定年前に住宅ローンを完済できるような返済計画を立て、実行することが大切です。具体的には、「繰り上げ返済」と「借り換え」が選択肢となります。

繰り上げ返済を行えば、当初の予定より早くローンを完済できます。また、金利の低い住宅ローンに借り換えることによって、毎月の返済額や総返済額を減らせるかもしれません。自身の状況に応じて検討しましょう。