この特集では、投資の知識がゼロでも分かるように、「投資信託」についてイチからじっくり解説していきます。

☆登場人物紹介
あんずちゃん ……DAILY ANDSのゆるキャラ。株とお酒が好物。>あんずちゃんとは?
みらい ……あんずちゃんの友人。ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持ち、投資信託に詳しい。

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あんず 「投資信託は、プロに運用をお願いするからコストがかかるって聞いたのだけど、それって本当なの?」
 
みらい 「そうだよ」
 
あんず 「プロにお願いするんだからある程度は仕方がないのかな?リターンがちゃんと返ってくるなら……」
 
みらい 「ちょっと待って!実は、投資信託ってコストを意識したファンド選びがすっごく大切なの!」
 
 ※前回の記事はこちら→第3回 投資信託「4つのリスク」。チェックする方法を解説!
 

投資信託のコストとは?

 <みらいちゃんは「投資信託」の売買に関わる3つのコストについて次のように解説してくれました>

①購入するときにかかる「購入時手数料」

証券会社や銀行などで投資信託を買う場合にかかる手数料です。申込手数料と呼ばれることもあります。最近は、ノーロードといって「ゼロ円」のものもありますが、購入価格の3%を超えるものもあり、商品によってかなり差があります。
 
みらい 「同じ商品なのに販売する会社によって手数料が違うこともあるんだよ」
 
あんず 「えーっ、それは知らないで損するのは嫌だなぁ」

みらい 「せっかくお金を増やしたくて投資をするんだから、ちゃんとチェックしようね!」

②持っている間、ずっとかかる「信託報酬」(しんたくほうしゅう)

投資信託を保有している間、ずっとかかる手数料。運用管理費用とも呼ばれています。運用会社・販売会社・信託銀行に支払われます。
 
「年利〇%」と決まっていて、低いものだと0.1%台から、高いものだと2%、3%というものまであります。毎日ファンドの資産から間接的に差し引かれています。
 
みらい 「信託報酬は、資産から自動的に差し引かれるから実感しづらいんだけど、運用期間中ずっーとかかるコストだから一番重視したい手数料なんだよ!」

あんず 「どういうこと?」
 
 <みらいちゃんが解説してくれた、信託報酬のポイントは次の通りです>
 
例えば10万円をとあるファンドに預けていたとします。信託報酬「2%」の場合、1日あたり5.5円、1年で約2000円のコストがかかることになります。このファンドを10年間持ち続けていると、手数料は約2万円。

一方、信託報酬が「0.5%」の場合、支払う手数料は1日あたり約1.4円、1年間で500円、10年間で5000円となります。
 
あんず 「低い方が良いと言えば良いけど、まあでも、それ以上に儲かればいいんじゃない?」
 
みらい 「あんずちゃんの言っていることも一理あるんだけど、信託報酬は投資信託が儲かろうが、儲からなかろうが、絶対に差し引かれることになる手数料なんだよ。せっかく10%の儲けが出たとしても、2%手数料で取られて8%になったら損じゃない?」

あんず 「まあ、たしかに」

みらい 「あんずちゃん、細かい数字には興味がないのかしら(笑)。ひとまず同じような運用成果を期待できる商品なら、信託報酬ができるだけ低いファンドを選ばなきゃ損ということは、覚えておいてね!ちなみに、運用期間中には『監査報酬』『売買委託手数料』っていう手数料もかかるんだけど、割合は信託報酬に比べると小さいからそれほど気にしなくてOKだよ」