おすすめしたい昔ながらのお正月遊び

日ごろは忙しい家族が集まるお正月に向けて、幼児から大人まで、みんなで楽しめるお正月遊びのアイデアを仕入れておくと、より充実した時間が過ごせます。お正月遊びといえば、伝統的な凧あげやけん玉などが思い浮かびませんか。

このような昔ながらの定番の遊びは、伝承遊びとも呼ばれています。こうした遊びには、新年を迎えるにあたって人々の願いや意味が込められています。ここでは、おすすめのお正月遊びを見ていきましょう。

おすすめのお正月遊び【体を使う伝承遊び】

「お正月遊びといえば?」幼児〜大人まで楽しむ昔ながらの伝承遊びやアイデアをご紹介
(画像=pixabay.com Folkより引用)

最初におすすめしたいお正月遊びは、体を使った定番の遊びです。お正月は寒い時期でもありますが、思い切って外に出て身体を動かしてみましょう。ここで取り上げている4つの伝承遊びは、どれも道具が必要です。

伝承遊びらしく、木や紙といった材料を使った昔ながらのものもありますが、最近の素材を使って現代風に作られているものもあるのでチェックしてみてくださいね。伝承遊びには、それぞれ新年に向けた願いが込められています。

高く揚げて子どもの健康と成長を願う【凧あげ】

お正月遊びの定番と言えば、まずおすすめしたいのが凧あげです。起源は中国で、日本では平安時代の辞書にも登場しているほど古くから定着している伝承遊びといえるでしょう。

竹の骨組みに和紙を張った日本の和凧は、角凧、六角凧、奴凧などいろいろな形があります。14世紀には海外から菱形凧が伝わり、江戸時代には大凧が流行りました。天高く凧を揚げて、子どもの健康や成長を願うという意味があるおすすめのお正月遊びです。

厄払いと魔除けの意味がある【羽根突き】

お正月遊びの定番である羽根突きもおすすめです。羽根突きの由来は、奈良時代や平安時代まで遡ります。奈良時代や平安時代、毬杖(ぎっちょう)という遊びが女子の神事として行われていました。

ヘラのような杖で毬を打つ毬杖が、室町時代には「子どもが患わ無い」という意味になる無患子(むくろじ)の木の実に羽根を付けたものを羽子板で打つ羽根突きに変わったそう。羽根を打ち合うことは厄払い、負けると顔に墨を塗るのは魔除けの意味があるおすすめのお正月遊びです。

縁起がよく物事が円滑に回る【コマ回し】

日本だけでなく、世界各地に存在するコマ回しも、大人から子どもまで楽しめるお正月遊びです。5000年以上前から存在するとされるコマですが、日本では平安時代には定着していたといわれています。

くるくると回り続けるコマには、縁起のよさや物事が円滑に回るといったイメージが重ねられました。また、コマの姿から子どもが早く独り立ちできるように、という願いも込められるようになった伝承遊びです。

体幹が鍛えられ手作りもできる【竹馬】

続いておすすめしたいお正月遊びは、竹馬です。「竹馬の友(ちくばのとも)」という言葉があるほど、昔ながらの庶民の遊びの1つですが、今でも全国大会が開催されるほど人気があります。

中国発祥の竹馬は、平安時代には日本にも伝わっていました。当初は竹にまたがるスタイルでしたが、江戸時代に今のようなスタイルが人気を集めます。バランスを取るために体幹が鍛えられ、勇気も養われる伝承遊びです。空き缶で作ってもよいですね。

おすすめのお正月遊び【頭を使う伝承遊び】

「お正月遊びといえば?」幼児〜大人まで楽しむ昔ながらの伝承遊びやアイデアをご紹介
(画像=pixabay.com Folkより引用)

続いておすすめしたいお正月遊びは、頭を使う伝承遊びです。基本的には、ほとんどが屋内でできる遊びなので、寒さが厳しくお天気がよくない冬の時期でも安心して遊べるでしょう。

今回ピックアップした頭を使う伝承遊びで使う道具やおもちゃは、自作できるものも多くあります。インターネット上には、こうしたアイテムの作り方を公開しているサイトがあるので要チェックです。お子さんたちと一緒に手作りしたおもちゃを使って、お正月遊びを楽しんでもすてきですね。

年始の運試しにもなっていた「すごろく」

すごろくは、サイコロを振って出た目の分、コマを進めてゴールを目指すゲームです。日本では、2人で遊ぶ賭博性の高い「盤双六」と、現在のすごろくと同じ「絵双六」の2種類があったそうですが、江戸時代にはほぼ「絵双六」のみになっていきました。

年始の運試しという側面もあったようです。コマを進めていくフィールドのデザインは幅広く、知育に役立つものもあります。ゲーム性を高めた「人生ゲーム」「モノポリー」もすごろくの仲間です。

新年早々の笑いで福を招く「福笑い」

福笑いは、昔ながらの伝承遊びの1つです。明治時代ごろから、お正月遊びの定番になったとされています。目隠しをして、輪郭だけ描いた顔に目や鼻といったパーツを置いていくゲームです。面白い顔を作って、みんなで楽しみましょう。

家族の写真や絵を利用して手作りするのもおすすめです。「笑う門には福来る」のことわざのように、新年から家族で大笑いすることで福を招こうという願いがこめられています。

語彙力が高まる多岐なテーマの「かるた」

お正月遊びの定番でもあるかるたは、ポルトガルが起源と言われています。日本では、16世紀ごろ作られ始めたそうです。いわゆる「いろはかるた」は、五十音それぞれを頭文字にことわざを表しているものが一般的。

現代では、絵札の内容を短い文にしたかるたも多く登場しています。人気のキャラクターを使ったかるたやだじゃれをテーマにしているかるた、環境問題やSDG‘sを取り上げたかるたも人気です。語彙力が高まるお正月遊びといえるでしょう。

遊びながら教養が深まる「百人一首かるた」

藤原定家(ふじわらのていか)が、編集した百人一首もかるたの一種ですが、その歴史はなんと鎌倉時代にまでさかのぼります。飛鳥時代から平安時代、そして鎌倉時代まで、各時代で発表された100人の歌人の優れた和歌が一人1首ずつ選ばれ、年代順に並べられました。

その100首を、上の句下の句に分けたのが、百人一首のかるたです。遊びながら教養が深まります。日本各地で遊ばれていますが、北海道では下の句だけが記された木の札が一般的だそうです。