生活コストを下げられない

もう1つ、高年収の方ほど陥りやすいのが「生活水準を下げられない」という問題です。老後を見据えて「このままの支出ではお金が尽きてしまう、なんとかしなくては」という状況になったとき、それまでとくにお金について意識せずに裕福な暮らしをしてきた方は、合理的な節約が苦手なケースがあります。

生活水準を上げるのはかんたんですが、下げるのは難しいものです。たとえば数十年にわたって「月50万円使って生活するのが普通」だった人は、年金収入が月30万円の生活に突入したら、そのままでは毎月20万円の赤字が出ます。20万円×12カ月×30年(60歳~90歳)=7,200万円です。

まずいと思っても、今まで無頓着だったのにいきなり月10万円単位の節約をするとなると、苦痛が伴うかもしれません。

老後のシミュレーションを始めるところから

老後破産を防ぐには、今の生活だけでなく老後の生活まで見据えてお金の使い方を考えることが大切です。老後、理想の生活を送るために必要な金額はいくらなのか、年金や退職金はいくらもらえるのか、いくらくらい足りなさそうなのか、一度時間を取って考えてみてはいかがでしょうか。

文・fuelle編集部