透明感溢れるメイクや、145センチという小柄さを感じさせないコーディネートが多くの女性から支持されている、ビューティー・スタイリストの田中亜希子さん。40歳を迎えたいま、年を重ねることや「美しさ」への意識はどう変わってきたのでしょうか。

■「ママ、なんか顔が黒いよ」

私が自分の体の変化に気づいたのは、30代半ばのころ。体重は増えていないのにちょっと顔が丸くなってきたし、ほうれい線も出てきたような……と感じる日が増えてきて、「あれ? なんだかメイクがうまくいかないかも」と思うようになりました。

私の世代は、10代のころがギャルブームの全盛期だったこともあって、盛り盛りのフルメイクが流行った世代。30代になっても20代のころと変わらないメイクをしていたら、それがだんだん、自分の顔に合わなくなってきていることに気づきました。しかも、10代のときは健康的な黒肌が流行っていたからよかったけれど、ブームが終わってみれば、周りの人たちはみんな美白にシフトしていて……。私はもともと地黒なので、肌に透明感と清潔感がほしいなと思い、それから“美白”に熱を入れるようになりました。

始めのころは色が黒いというコンプレックスを隠したくて、ファンデーションやコンシーラーでかなり白く塗っていました。いま思えばちょっと不自然だったかもしれないのですが、30代を過ぎると、その人に全然合っていないメイクやファッションをしていても、周りも指摘しづらくなってしまうんですよね。

そういうときに正直に意見をくれるのは、やっぱり家族。当時、顔を洗った直後に私のすっぴんを見た子どもが「ママ、なんか顔が黒いよ」と言ってきて、ノーメイクの状態とあんまり色が違うのはナチュラルじゃないな、メイクだけじゃなくベースの肌のケアをしないといけないんだな、と意識が変わっていきました。

■スキンケアと「表情」が美しさのベースになる

30代半ばを越えていちばん変化したのは、やっぱりスキンケアをきちんとするようになったことです。20代のころは顔を洗って化粧水をつけてはい終わり、でもよかったけれど、この年齢になってくると、肌の状態は季節や日によって好調だったりそうでなかったりとばらばらです。

私が思うスキンケアの最大のポイントは、自分の肌の状態を自分できちんと毎日チェックすること。夜、お風呂から出たあとに肌をさわってみて、なんだかカサカサするなというときは水分と油分がバランスよくとれるよう、化粧水をつけてオイルをなじませたあとにクリームで保湿。ごわついてザラザラするなというときは化粧水がたくさん含まれているパックをしたり……と、日によってケアの方法をアレンジしています。

お風呂に入っている時間よりも出てからスキンケアをする時間のほうが長いので、面倒くさいなあと感じることもあります。でも、朝起きて「なんか今日は不調だなあ」とがっかりするほうが嫌なんですよね。だから、すこしでも時間がとれる夜のあいだにできるだけ朝の下準備をするようにしています。

それと同時に、歳を重ねてきて思うようになったのは、人に与える印象には“表情”が強く影響するということ。周りのママ友は私よりすこし年上の人が多いのですが、表情が明るい人は、メイクやファッションに関係なく健康的で素敵に見えるんです。私はメイクやファッションを仕事にはしているけれど、そういう素敵な人たちが生き生きと笑っている姿を見ていると、やっぱり“表情”はそれ以上に影響力の強いものだなあと痛感したりもします。

■「会うと元気になる」と言われるおばあちゃんになりたい

私は昨年末、誕生日を迎えて40代になったのですが、そのときに、夫がプレゼントでお花やいろんな葉っぱの入ったリースをくれました。最初は生の状態だったのが、3カ月ほど経ったいまはだんだんドライフラワーに近づいてきています。

それを見ていると、生のときとはまた違った色なのだけど、こっちはこっちで素敵だな、味があるなと感じます。時間が経つにつれてそうやって見た目が変化してゆくのって、私たちの状態にも似ていますよね。年を重ねた肌に10代、20代の頃と同じようなメイクを施すのは、ドライフラワーばかりのリースに新しい生の花を挿すようなものだと思うんです。それではちぐはぐになってしまう。

お花と同じように、私たちの見た目も当然年齢に応じて変化していくけれど、その変化は誰にも止められないものです。それなら、ゆっくりでもいいからその変化を受け入れて、歳を重ねることを楽しんでいけるようになれたらいいですよね。

私自身はいまは、スキンケアやヨガ、運動など体の資本となる努力はした上で、あとはやたらと着飾ったりメイクで必要以上にアラを隠そうとしたりするのではなく、明るい表情でできるだけ自然体でいるということを意識しています。

50代、60代とこれから先に目を向けてみていちばん憧れるのは、いつでも元気な人。“元気”なんて当たり前のことのようだけど、歳を重ねていくと、いつでも元気な人って少なくなっていくなと感じます。

私はもともと、嫌なことがあってもそこまで引きずらないような、前向きで能天気なタイプ。悩んで答えが出ないことはできるだけ考えないようにしよう、と意識しているので、もしかしたらそれで家族や友達には迷惑をかけているかも……と思うこともあります。私が「もう考えてもしょうがないや!」と投げ出した問題を、結局、別の人が代わりに考えてくれているんだろうなと申し訳なくなったりもします。

でも、私がポジティブでいることで、明るさを周りに分けられているとしたらうれしいな、とも思うんです。

いつかおばあちゃんになったときに、孫たちに「おばあちゃん、最近元気ないから会いに行って励ましてあげようよ」じゃなくて、「おばあちゃんに会うと元気になるからおばあちゃんち行きたい!」と言ってもらえるような人でいられたら素敵だな、と思います。

田中亜希子さんのイチ押しアイテム

見た目の変化は止められない。じゃあ、どうする? 40歳のいま思うこと
(画像=「アイディアルオイル(FEMMUE)」、『DRESS』より引用)

乾燥肌なので年中オイルを使ってスキンケアをしています。FEMMUE(ファミュ)のアイディアルオイルはさらっとした使用感で、みずみずしい肌をつくってくれます。


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