高級ブティックや老舗の名店が集まる東京・銀座。ここから徒歩15分圏内には、海鮮グルメが味わえるお店が立ち並ぶ築地や、映画と劇場の街・日比谷があり、気軽に観光やグルメ、ショッピングを楽しめます。今回は1日で楽しめる銀座と築地、日比谷を巡る散策モデルコースをご紹介します。
銀座・築地・日比谷ってどんな街？
銀座（ぎんざ）は東京を代表するショッピングスポットのひとつ。江戸時代に銀貨を製造する「銀座役所」があったことからこの地名が名付けられたといわれています。明治時代から多くの商店が誕生して人々が集まるようになり、「銀ぶら」という言葉が出てくるくらい、現在は百貨店や飲食店が立ち並ぶ大人の街として多くの人が訪れています。
また銀座駅から15分程歩くと、築地（つきじ）へ行くことができます。元々は江戸時代に海を埋め立てて誕生した町で、新たな「地」を「築」いたことからこの名が付けられました。大正から昭和にかけては魚介類を中心に取り扱う中央卸売市場が日本橋から移転され、2018年に豊洲（とよす）に移転するまで“東京の台所”として食の流通を支えました。
さらに銀座から5分ほど歩くと、有楽町（ゆうらくちょう）や日比谷（ひびや）へアクセスできます。明治時代に日本の近代化を牽引するエリアとして発展し、日本初の洋風近代公園「日比谷公園」をはじめ、「帝国劇場」や「東京宝塚劇場」などの劇場や映画館が誕生。日本のエンターテインメントの中心地として栄えるようになりました。
銀座へは東京駅から東京メトロ丸ノ内線でアクセスすることが可能。約2分で銀座駅に到着します。またJR山手線・京浜東北線に乗っていくこともでき、約2分で最寄りの有楽町駅に下車した後、3分ほど歩くと銀座のシンボル「和光」の時計台がある交差点に到着します。
東京の元祖台所・築地でグルメ＆パワースポット巡りを楽しもう！
最初は東京の食の流通を支えた町・築地を散策しましょう。豊洲に卸売市場を移転した後も活気あふれる築地場外市場をはじめ、寺社仏閣もあり、グルメだけでなく、歴史散策も楽しめます。
9:30 西洋と東洋の建築美に注目！「築地本願寺」を参拝
旅の始まりは東京メトロ日比谷線「築地駅」から。東京駅から約10分で築地駅にアクセスすることができ、地下鉄丸ノ内線に乗って銀座駅に下車した後、日比谷線の北千住方面行きの電車で約3分で到着します。
築地駅1番出口から歩くとすぐに築地本願寺（つきじほんがんじ）に到着します。創建400年の歴史を誇る、浄土真宗のお寺で元々は江戸時代、西本願寺の別院として浅草付近に創建されました。しかし江戸時代の中期に発生した「明暦（めいれき）の大火」で焼失。その後も1923年の関東大震災で焼失しましたが、1934年に現在の本堂が再建されました。
見どころのひとつが西洋と東洋の技術を融合したガンダーラの建築美。本堂の入口扉の上部に西洋風のステンドグラスが使われているほか、本堂の柱には青龍や朱雀、白虎、玄武の「四神」のレリーフが描かれています。日本や西洋、中国など、さまざまな要素を生かしたデザインが施されているので、隅々まで注目してみて。
また、こちらの築地本願寺の設計を手掛けたのは、明治から昭和にかけて活躍した建築家・伊東忠太（いとうちゅうた）。妖怪や幻獣好きとしても有名な伊東にちなんで、境内には牛や象、馬などの彫刻が設置してあります。その意図は明らかになっていませんが、仏教の説話に関連したモチーフも多いので、いろんな動物たちの彫刻を見るのもおすすめです。
本堂で仏様に参拝した後はインフォメーションセンターへ。ブックセンターでは仏教に関わる専門書や美術書など、約3,000冊もの書籍を販売しています。またオフィシャルショップでは、漢方香（税込530円～）をはじめとした線香や練り香水、文具などを取り揃えています。デザイン性が高くてオリジナルの商品もあるので、ぜひチェックしてみましょう。
さらにインフォメーションセンター内には「カフェTsumugi（つむぎ）」があります。緑茶やほうじ茶といったドリンクからモンブラン、抹茶のチーズケーキ（税込825円）などのスイーツ、そして朝食限定で地元の食材を使った16種のおかずとおかゆ、味噌汁が付いた「18品の朝ごはん」（税込1,980円）を味わえます。
11:00 築地場外市場周辺にあるお店で海の幸を使ったランチを堪能しよう！
築地本願寺を参拝した後は、築地場外市場の周辺にあるお店で早めのランチを食べましょう。寿司や海鮮丼が味わえるお店をはじめ、海の幸を使った料理を提供するイタリアンレストランもあり、絶品のグルメを堪能できます。
新鮮な海の幸を使った築地流・ひつまぶしに注目「築地虎杖 魚河岸千両」
築地場外市場内にある「築地虎杖 魚河岸千両（つきじいたどり うおがしせんりょう）」。築地を中心に展開する海鮮料理店グループのひとつで、イクラやウニ、マグロといった魚介をふんだんに使った海鮮丼を堪能できます。
おすすめは、ウニやイクラ、マグロ、甘エビなど12種類以上の魚介が入った「海鮮ひつまぶし」です。1杯目にわさび醤油をかけ海鮮バラ寿司として味わった後、2杯目はウニを混ぜたちらし寿司に。ウニの濃厚な味わいとともにマグロ、甘エビ、イクラなどのうま味が口の中で広がります。
そして、3杯目は特製のだしを加えてお茶漬けとして食べましょう。だしとイクラ、マグロとの相性も良く、思わずやみつきになりますよ♪
貝たっぷりのパスタが味わえる「トラットリア 築地 パラディーゾ」
築地は海鮮丼や寿司のお店が多いというイメージを持っている人もいますが、実は築地で仕入れた魚介を使ったイタリアンを味わえるお店もあります。「トラットリア 築地 パラディーゾ」は、当日の朝に仕入れた海の幸をたっぷり使った本格イタリアンを提供。ミシュランガイドで“ビブグルマン”に選ばれており、週末は事前に予約しないと入れないほど、人気のお店です。
魚料理では岩手県広田湾で仕入れた生牡蠣をはじめ、静岡近海でとれたクロメバルや長崎・佐世保産のマダイを使ったアクアパッツァ（税込2,800円）やロースト（税込2,600円）を提供。さらに魚介を使った前菜の盛り合わせ（4品・税込1,600円～）も堪能できます。
またランチの時間帯は、パスタやリゾットを味わえます。中でも「本日仕入れた貝類とチェリートマトのペスカトーレ風リングイネ」は、ムール貝やハマグリ、アサリ、シジミなど、7～8種類の貝がたっぷり入っており、貝の旨みとチェリートマトの甘酸っぱい組み合わせを楽しめます。
12:30 築地を見守るパワースポット！災難除けにご利益がある「波除神社」を参拝
ランチを堪能した後は、築地の街を見守る「波除（なみよけ）神社」を参拝しましょう。創建されたのは江戸時代。かつて大波の影響で築地周辺の埋め立て工事が困難を極める中、ある夜に稲荷大神の御神体を見つけて社殿を作りました。お祭りを実施したところ、波が収まって工事が終わったことから、災難除けや厄除けなどにご利益があるといわれています。
境内には2つの獅子頭があります。鳥居をくぐってすぐのところにある「獅子殿」では、高さ2.4メートル、幅3.3メートルの獅子頭が飾られているほか、近くの弁財天社にはお歯黒を塗った高さ2.2メートルの獅子頭もあり、貴重な史料を見ることができます。
また築地にちなんだ「塚」も祀られています。日本人が好む「すし」のために魚の霊をまつる「すし塚」や、寿司用の厚焼き玉子を作る際に玉子への供養のために作られた「玉子塚」、「活魚塚」などもあるので、あわせて参拝してみましょう。
