マスクが不要になる日を、想像するとすごく怖い

「でもここまで手放せなくなってしまうとは思いませんでした。もはや顔の一部どころか、私自身の一部ですから。今はコロナ禍で仕事中や会議でもマスク着用を求められますが、怖いのはコロナが落ち着いてからです。 マスクをつけるのは、下着をつけるのと同じくらい当たり前で不可欠なこと。『マスクを外せ』と言われたら、もう会社に行けないかもしれない。 社会人として自信をつける前にコロナが流行ってしまったから、まだ自分一人で何でも立ち向かえる、臨機応変に対応する力が正直ないと思います。マスクに頼りつつ、なんとか自分の心を守っているような感じですし……。コロナが沈静化したとき、自分がどうなってしまうのか。想像するとすごく怖いです」

家の中でも、寝るとき以外はほとんどマスク

「マスクは“下着”だから外せない」マスク依存の25歳女性が、必死に隠したいもの1.jpg
(画像=女子SPA!より引用)

一方で、マスクを“コンプレックスを隠す必須アイテム”として活用するケースもあります。高校2年生と大学1年生の娘さんを持つ玉置結衣さん(40代・仮名)にお話を聞いたところ、 「私の子どもたちは、もうマスクなしでは生活できないかもしれない」と、なんとも衝撃的な言葉が返ってきたのです。 「生活できないと言うと大げさかもしれませんが、新型コロナ流行の真っ只中で高校生、大学生になった娘たちは家の中でも外でも寝るとき以外ほとんどマスクをつけています。外ではウイルス対策のために強制されるし、家の中でも家庭内感染が怖いからなるべくつけていて。そして寝るときは保湿のため……って。

マスクで隠して、整形したい欲を抑えている

それに、上の子も下の子も歯並びにコンプレックスがあって、矯正しても納得がいかないらしくって。顎の形や鼻が丸いことなども気にしているようで、それを隠すためにマスクは手放せないみたいなんです。一度高校生の娘から『整形がしたい』と相談を受けたんですが、なかなか気持ちよく応援はできなくて。思春期の過敏な時期ということもあって、必要以上に気にしているんだと思います」 そしてさらに、高校生の娘さんはマスクで顔を隠すことに執着するようになったとか……。 「今では母親の私ですら、マスクをとった娘たちの素顔をしばらく見ていません。でも、怖いのはマスクが必要ない時代になったとき、素直に整形したいという娘の気持ちを応援できるかどうか……。コンプレックスを隠すことで今は耐えている娘の気持ちを考えると、マスクなしの生活を受け入れられるかも心配です」 ======== 感染症対策だけでなく、多くの人の心やコンプレックスを包んで覆い隠して、守ってくれているマスク。頼ってしまう気持ちもわかるし、その危うさも分かります。その中でもゆっくりと、適度な距離感と使い分けをなんとか心掛けたいものですね。

<取材・文&イラスト 赤山ひかる>

提供・女子SPA!


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